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最大5点のリードを守り切れず…痛いドローに

5時間12分に及ぶ総力戦。最大5点リードを守れず追い付かれた阪神にとっては、痛いドローとなった。

阪神先発・榎田は2回裏4番今江のヒットから四球、送りバント、鈴木の左犧飛であっさり先制を許した。マリンの風による変化球の曲がり幅を把握仕切れず、制球に苦しみ4回にも二死満塁まで攻め込まれるなど苦しい投球だった。

千葉ロッテは6年目の新鋭・阿部が先発。初対戦の阿部を序盤捉えられなかった阪神だが、4回表マートンの二塁打や2四球で無死満塁とする。6番DH起用の今成が投ゴロ併殺に倒れるが、「走者を還すことだけを心掛けていた」新井良太内野手はスライダーをセンター前へ返す2点適時打を放って逆転!更に日高が繋いで、今季2度目スタメン9番柴田が内角高め速球を振り抜くとライトポール際へ記念すべきプロ初本塁打(1号3ラン)となった。

「打席に向かう前に関川コーチから『打撃練習のつもりでいけ!』とアドバイスをもらい、すごく楽に打席に立つことが出来た!」と話した柴田講平外野手。この回一挙5点の猛攻で主導権を握った阪神は、5回にも千葉ロッテ2人目・上野の高め速球を「ボール気味の高めだったけれども、上手く上から叩くことが出来た!」マット・マートン外野手の4号ソロ本塁打で追加点を取った。

千葉ロッテも6回裏、井口・今江の左右へ打ち分ける連続アーチで榎田をKOする。5回0/3で降板して、「長いイニングを投げられなくて残念」と榎田大樹投手は申し訳なさそうだった。投手が鶴に代わった直後、捕手・日高も藤井彰と負傷交代。二死後、鈴木・川本にも長短打を許して6対4と迫られる。

突き放したい阪神だが、8回表鳥谷の大飛球がセンター伊志嶺の超美技に阻まれるなどイヤな流れがあった。その裏のピンチは、4人目・安藤がロッテ代打の切り札・福浦を見逃し三振に仕留めたものの、9回抑えの久保が井口に2打席連続アーチとなるレフトへの同点2ランを浴びて、ついに6対6。その後二死満塁となるが、久保は川本を遊ゴロに打ち取り延長戦に突入した。

ちなみにこの日の球審・工藤和樹審判員は、阪神OB工藤一彦氏の子息であり、関大一高時代はエース久保の控え投手だった。土壇場で同点アーチを打たれた久保康友投手は、「一番行ってはいけない時に投げミスをしてしまった!」と振り返る。

11回表二死1・2塁から新井良の左前安打で半ば強引に本塁突入した鳥谷が憤死する場面もあった阪神だが、10回から登板の筒井が3イニングを無失点で抑えて、結局5時間12分の死闘を何とか痛み分けに持ち込んだ。

疲れ果てた表情の和田 豊監督は、「現状精一杯の継投だった。筒井はよく頑張った。取れるところの『もう1点』が取れないと(こうした結果になる)」と無念さがありありだった。勝てなかった阪神だが、途中出場・坂が2安打など持てる力を尽くした粘りには敬意を表したい。