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理想的な試合で超変革元年を締めくくる

「きょうは仕事が多かった」
 
金本監督がそう言ったのも無理はない。引退する福原を最高のタイミングでマウンドに上げたかったし、安藤には50試合登板を達成させたかった。ベンチスタートの福留からは「福原さんのために自分も…」と聞いていたから、いい場面で代打起用したかったし、植田と望月も一軍デビューさせたかった。先発・岩貞の10勝も含めて、すべてのミッションがクリアされた。金本阪神1年目の最終戦は、理想的な試合だったと言える。
 
初回の先制点が大きかった。二死一塁から原口の二塁打で、一塁走者の北條が一気にホームイン…と思ったら、ボールがフェンスのラバーとラバーの間に挟まったようで、審判団が協議した結果、「その時点でボールデッド」と判定。北條は三塁に戻され、先制点は幻となった。しかし、二死二、三塁から再開された直後、ゴメスの中前適時打で2点を先制した。
 
福原の引退試合ということで、「いつも以上に緊張して、変に硬くなっていた」と言う先発・岩貞は、1、2回と三塁に走者を背負ったが、3回以降は6回までパーフェクトピッチング。7回はまた二死一、三塁のピンチを招くも、無失点で切り抜けた。
 
「きょうに関しては、フクさん(福原)にいい形でバトンを渡せたことで大満足です」
 
自身の10勝目よりも、福原のラスト登板の舞台を整えたことにホッとしていた岩貞。ただ、監督が「自信にしていいし、しないといけない」と話した通り、2ケタ勝利は必ず来季につながるはずだ。
 
「勝てない時期を短くしないと。というより、その時期をなくさなければ、チームの信頼は得られない。今年はたくさんの変化を自分に与えてくれた方たちと、登板機会を与えてくれた監督のおかげ。来季以降は自分の力でローテーションを守りたい」
 
来季は左のエースになることが期待される。
 
打線は2回に北條の犠飛で1点、7回に上本の中越え二塁打で2点を追加し、福原のラスト登板を演出した。
 
8回、リリーフカーに乗った福原が登場すると、スタンドは大歓声。広陵高の先輩でもある金本監督から直々にボールを渡され、最後の打者・立岡に対した。
 
投じた3球はすべてストレート。「どこかでカーブを投げようかと思っていたけど」と言って笑ったが、「ストレートで終われてよかった」が本音だ。
 
立岡を左飛に打ち取ると、内野手がマウンドに集まり、自然と笑顔があふれた。福原は丁寧に足場をならし、3番手・安藤を迎える。盟友と軽く抱擁をしてベンチへ。ファンからの温かい拍手に涙があふれた。
 
4年連続50試合登板となった安藤は、長野に二塁打を許したものの、無失点投球。その裏、右翼の守備に就いていた福留の犠飛でダメを押すと、点差が広がったことで、9回のマウンドにはルーキー・望月を上げることができた。
 
望月は150キロ超のボールを連発して1安打無失点。完封リレーの最後を締めくくり、ハイタッチの輪に加わった。
 
植田も6回二死から中前打の俊介の代走で登場し、盗塁は失敗したものの、プロでの第一歩。本当に、ベンチがやりたかったことすべてができた試合だった。
 
順位はヤクルトの結果次第だが、試合後、マイクの前に立った金本監督は、すでに来季を見据えていた。
 
「この秋から若手、中堅をさらに鍛え上げて、来年は巻き返す年、見返す年にしたいと思います」
 
金本阪神の超変革元年は終わった。真価が問われるのは2017年シーズンだ。