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ミラクル近本!死地からの生還

敗色濃厚な展開を執念で追いついた阪神が、ルーキーらの活躍もあり総力戦の末 貴重な白星を掴んだ。

DeNA先発左腕・濱口に対する阪神は、矢野監督の予告通りオーダーを大幅に変更。近本・糸原に代えて上本・北條で1・2番を組み、下位では陽川・江越を7・8番に据える。初回二死から3番 糸井が右越えソロ本塁打を放って、阪神は23イニング振りの得点で先取点を奪った。

阪神先発もサウスポーのガルシア。DeNAは、2番にソトを戻してロペス・筒香・宮崎のクリーンアップで臨む。ガルシアは立ち上がり、2番ソトに変化球を逆方向へ上手く運ばれライトスタンドへの24号ソロ本塁打。初回に忽ち追いつかれた。

2回表はマルテ・陽川の四球で一死1・2塁とした阪神だが、8番 江越は空振り三振。続くガルシアも一ゴロに倒れて得点する事が出来ない。その裏 ガルシアは先頭・宮崎への四球から二死2塁とされ8番 大和に右前適時安打を浴びて、DeNAに勝ち越されてしまった。

リードを貰ったDeNA・濱口は3回表 上本・北條・糸井を3者連続三振に葬る。内容も良化していたが、5回表 江越への投球中、急にフォームのバランスを崩す異変が生じて、その裏の打席で代打・柴田を送られた。濱口は、5回(73球)2安打7三振2四球1失点。勝ち投手の権利を持って交代している。

6回からDeNAは継投に入る。2人目・国吉は一死から北條に中前安打を許すも糸井・大山を打ち取った。7回表は三嶋が3者凡退に抑えている。

ガルシアは、右打者にはツーシームを有効に使い、左打者へはコースを丹念に突く投球。序盤の失点後は徐々にペースを掴んで来ていたが、6回裏 先頭ソトの遊ゴロを北條が一塁悪送球。ロペスに右越え二塁打を浴びて無死2・3塁と大ピンチを招き、4番 筒香の右犠飛でDeNAに追加点を与えて2点差をつけられる。

結局ガルシアは、この回限りで交代。6回(93球)3安打5三振2四球3失点(自責2)だった。オネルキ・ガルシア投手が振り返る。「先制してくれた直後に点を取られて野手のみんなに申し訳なかった。ただ、その後は粘る事が出来たし、先発としての役割は果たすことが出来たかな?後はチームが勝てるように応援するよ」。

7回裏は、阪神2人目・守屋が一死後 大和に左二塁打を打たれて招いたピンチを3人目・能見が引き受け、何とか後続を打ち取った。8回表 阪神はDeNA4人目・パットンを攻めて高山・四球と上本・左前安打で一死1・2塁の好機を作る。北條は遊飛に倒れて二死となり、DeNAは5連投となる左腕エスコバーを3番 糸井にぶつけた。糸井は最速158km/hの真っ直ぐ攻めに苦しみながらも、最後は変化球を二遊間へ返す中前適時安打を放って1点差に迫る。続く大山もセカンド強襲の右前適時安打で、阪神が3対3の同点に追いついた。

「打ったのはストレート。数少ないチャンスの場面だったので、、ここしかないと言う気持ちで打席に立った。同点に追いつく一本となってくれて良かった」。大事なところで4番の仕事をした大山悠輔内野手は、喜びを口にしている。

こうなると阪神は、勝ちパターンの救援陣を発動。8回裏はジョンソンが、筒香には四球を与えたものの無失点で抑える。9回表には二死から高山の右中間二塁打と上本・四球でDeNA・山崎康を攻め立てたが、2番 北條が右飛に終わる。その裏 阪神5人目・藤川は先頭・宮崎に粘られた末に歩かせ、犠打で一死2塁とされるが、雨脚が強くなる中で途中出場・柴田を空振り三振。1番 神里も一飛に打ち取って凌いだ。試合は延長戦に入る。

DeNA・武藤が投げる10回表は.一死から大山の打球が風に流されてテキサス性二塁打でビッグチャンスを得た阪神だが、代打・原口は見逃し三振。続く6番 梅野も凡退して勝ち越す事が出来ない。その裏 阪神は島本が登板。二死後、筒香を歩かせ5番 宮崎に右中間への長打を浴びるが、センター近本から上本〜梅野へ繋ぐ中継プレーが決まって、サヨナラを狙った走者・筒香を本塁で刺してみせた。

11回表 先頭の途中出場・近本は左中間二塁打とセンターがファンブルする間に3塁まで進む。続く糸原はライトへ低いライナー性の飛球を放って、近本がタッチアップ。DeNA 乙坂からの返球も素晴らしかったが、俊足を飛ばして近本が生還して、阪神が4対3と勝ち越しに成功した。

その裏 阪神は逃げ切りへ守護神ドリスを送るが、先頭・桑原に左前安打を打たれる。続く嶺井の送りバントをドリスが一塁へ悪送球。無死1・3塁と絶体絶命のピンチを招いた。ここで8番 大和は投前にスクイズを試みるが、走者・桑原は本塁前で憤死。続く柴田は二ゴロ。柴田の盗塁で二死2・3塁となり、代打・佐野の打球が前進守備の外野手後方へ。抜けていれば、逆転サヨナラ必至のところを背走した高山が辛うじてキャッチして、漸く試合が終わった。4対3と阪神が死地から甦る勝利で連敗を4で止めている。

阪神は再びDeNAと並んで3位に返り咲いた。勝利投手は、島本で今季初白星。負けは武藤。ドリスが15セーブとなっている。DeNAにとっては、出来れば使いたくなかったエスコバー投入が裏目に出ての逆転負けは非常に痛い。11回裏 大和のスクイズも走者のスタートが遅れたように映っただけに悔いが残る試合となった。

「本当に難しい打球だったので(高山選手が)最後捕ってくれて、ボクとしても嬉しかった」。ヒーローインタビューは、決勝点をもぎ取る走塁など攻守に光った近本光司外野手だ。「(11回表は)先頭だったのでしっかり塁に出る事と、何としてでも勝ちに繋げられる打撃をしたいなと思っていた。(タッチアップは)藤本コーチが行け行け!と言ってたので、勝負しました。(生還した時は)いや、もう最高でした」。この日はスタメン落ちだったが、「自分の調子もあまり良くなくて、チームにも迷惑をかけてたので、出場のチャンスを頂けたら、是非 勝ちに繋げられるようなプレーがしたいなと思っていた」そうである。

「ちょっと(外野手が)ポロっとしたのを3つ(3塁)まで行って、低い浅いライナー気味のフライで返れるというのは、近本の持ってるモノやから」。矢野燿大監督もドラ1ルーキーの能力を褒め称える。「(10回裏の)中継プレーは、チカ(近本)も無駄のないボールまでの位置にいて、上本も、ホームもしっかりやってくれたと言うのが大きかったし、そう言うのが勝った要因じゃないかと思う」。

先制アーチと追撃の適時打を放った糸井に関しても、「向こうも完全な必勝パターンで、エスコバーのところもヨシオがあそこで(適時打で繋いだ結果)追いついてくれたと言うのが」こうした試合になった要素だったと高く評価していた。この日は大胆な打線改造に着手したが、「中途半端に動かすだけなら、あんまりムードも変わらないかな?と。それで結果上手く機能したとは全く思ってないけど。逆に普段出てる人って言うのは、ベンチから試合を観た時にまた違う感情だったり、違う部分が見えたりもすると思うから」思い切ってテコ入れをしたと話した。

「これだけ接戦の中で投手使って勝てたのは大きい。これでやられてるとダメージはデカかったので。ジョー(北條)のミスもあったりしてるけど。全然良しとは思ってないし、次に同じような事やられてるんで、改善していかなアカンと思うけど…勝てたという事で、チームにとっても、そういうミスをした選手には、救われる部分もあると思う」。苦しいチーム状況の中で何とか手にした勝利の意味を噛み締めながらも、指揮官は厳しい表情を崩さなかった。