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秋季キャンプコラム

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2022.11.09
連係プレーの強化
11月4日(金)〜11月8日(火)

好天に恵まれたキャンプ第2クール。課題とされる守備力向上へ、投内連係や併殺など連係プレーの練習が重点的に行われた。

スコアラーの経験を生かして

キャンプ休日の4日(金)、高知県内で山崎憲晴ファーム打撃コーチが就任会見を行った。

2018年に阪神へ移籍し、2年間プレー。引退後、2020年からスコアラーを務めた。「この3年間、スコアラーとして積み上げたものと、僕にしかできないやり方でメンタル面、技術面、考え方といろんな面で選手をサポートしていけたら」と意気込み、「打撃は打てない時が7割以上。打てなくても次の打席、前向きな気持ちで立ってもらいたいというのをスコアラーではモットーにしてきた。言葉をかけるタイミング、モチベーションを上げるのは技術と共に大事なことだと思うので、引き続きやっていきたい」と熱意を示した。

選手とコミュニケーションを重ねてきた経験を糧に。メンタル面でのサポートも重視しながら、若虎の育成に心血を注ぐ。

目標は3秒台

5日(土)、キャンプは第2クールがスタート。午前には新メニュー「併殺タイムトライアル」が行われた。

3秒台を目標に、平田勝男ヘッドコーチが併殺のタイムを計測。計16本のうち、10本が3秒台を達成した。遊撃の守備位置に就いたのは、木浪聖也内野手と小幡竜平内野手。木浪は肩の強さを岡田彰布監督に評価され、それまでの二塁から遊撃へ。指揮官は遊撃について「小幡が候補」としながらも、「誰がポジションを獲るかわからない」と言及しており、熾烈な二遊間争いに挑む。

藤原崇起オーナーが視察に訪れた6日(土)には、今キャンプ初となるゲーム形式のノックを敢行。走者を置き、様々な状況を設定してノックが行われた。終了後には、岡田監督がコーチや選手を集めて中継プレーについて説明する場面も。そのまますぐに実践させ、確認作業を徹底した。

ランチ特打で快音を響かせた井上広大外野手は、午後からの打撃練習で指揮官から熱血指導を受けた。外角球の外側を打つようアドバイスされ、反対方向への強打増産へ。キャンプ初日のフリー打撃では「一番飛んでいた」と岡田監督の目に留まり、「チャンスはチャンス」と外野のレギュラー候補に浮上した。その期待に応えるべく、21歳の右の大砲は全体練習後もバットを振り続けた。

侍戦士が躍動

日本代表メンバーの湯浅京己投手、佐藤輝明内野手、中野拓夢内野手、近本光司外野手は、5日と6日に東京ドームで行われた強化試合に臨んだ。

5日の日本ハム戦では、「1番・中堅」で先発の近本が存在感を発揮した。初回に上沢から右前打を放ち、続く近藤の打席、初球で二盗に成功。捕手の悪送球で一気に三塁まで進むと、近藤の左犠飛で先制のホームを踏んだ。侍デビュー戦で見事リードオフマンの働きを見せ、栗山ジャパンの初陣勝利に貢献している。

6日の巨人戦は、佐藤輝が攻守で魅せた。前日に続き、「7番・右翼」で先発出場。3点ビハインドの4回2死二塁、保科の右前打をバックホームし追加点を阻止すると、7回無死二塁では大江の真っすぐを捉えて右前打に。待望の侍初安打は、2点差に詰めるタイムリーヒットとなった。「初めてのヒットなので嬉しい」と笑顔を見せ、栗山英樹監督も「こうして結果が出れば、もっと思い切ってやってくれる」と期待。来年開催のWBC出場へ、アピールを続ける。

2点ビハインドの7回、3番手でマウンドに上がった湯浅は、わずか10球で3者凡退に抑えるパーフェクトピッチング。8回の逆転に繋げ、侍初登板で勝利投手に輝いた。

直球に磨きを

7日(月)、ドラフト1位で指名された森下翔太外野手(中央大)が、東京都内のホテルで仮契約を結んだ。

大学通算9本塁打の右のスラッガーは、1年目で25本塁打を宣言。新人王を目標に、即戦力としての活躍を誓う。仮契約で気持ちも新たに。1月の新人合同自主トレに向け、体力強化に努めていく。

キャンプ第2クール最終日の8日(火)、伊藤将司投手がブルペンに入り、梅野隆太郎捕手を相手に直球のみ50球を投じた。

今キャンプでは投手陣に連日のブルペン投球が課されているが、シーズン通して登板した伊藤将と浜地真澄投手は免除。伊藤将は前日に個別練習でブルペン入りし、直球を約30球投じたが、この日がキャンプ初の本格投球となった。

捕手側からチェックした岡田監督は、「ストレートだけでも、やっぱりいいボール放っている。コントロール含めてある程度のところに来るもんな」と評価。「フォアボールで崩れるようなタイプではないし、安定感がある。6回ぐらいまではゲームを作ってくれる、それが一番」と賛辞を送り、「計算できるよ」とローテーションの軸として左腕に信頼を寄せた。

今季は20試合に登板して、9勝5敗、防御率2.63。先発としての役割を果たし奮闘したが、10勝したルーキーイヤーから2年連続の2桁勝利には届かなかった。10勝以上、そして初となる規定投球回到達へ。来季を見据え、このキャンプでは「三振を取れる直球」に磨きをかける。