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秋季キャンプコラム

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2022.11.18
「2番・二塁」中野
11月14日(月)〜11月17日(木)

キャンプは終盤へ。第4クール初日の練習前には円陣が組まれ、岡田監督は大山、中野、伊藤将、佐藤輝、西純の5選手にウォーミングアップで先頭を走ることを指令。主力選手に自覚を促し、最後の締めとなる1週間に臨んだ。

2年連続の栄誉

14日(月)、「三井ゴールデン・グラブ賞」の受賞者が発表され、近本光司外野手が外野手部門で選出された。

2年連続2度目の受賞に、「昨年初めて受賞させていただきましたが、さらなるレベルアップを目指して日々新たなことに挑戦してきたので、今年も受賞することができて嬉しいです」とコメント。阪神の外野手では、03~06年に4年連続受賞した赤星憲広以来の連続受賞となった。

今季は不動の中堅手として132試合に出場し、俊足を生かした広い守備範囲で投手陣をアシスト。「これからも、一つでも多くの勝利につながるようなプレーができればと思いますし、守備でもどんどんチームに貢献して、来年も選ばれるように頑張ります」と、3年連続受賞を目指す。

キャンプ休日だった14日(月)には、高知県内で桐敷、井上、前川ら11選手が契約更改を行った。

初の契約更改交渉に臨んだ前川右京外野手は、高卒1年目の今季、巨人とのオープン戦(甲子園)で2安打を放ち鮮烈デビュー。しかしその後は、ケガに苦しみ公式戦での一軍出場はなかった。

それでもフェニックス・リーグではDHのみの出場ながらチームトップの11打点と結果を残し、秋季キャンプでも岡田彰布監督の目に留まるポテンシャルの高さを披露。飛躍を遂げたい勝負の2年目へ、「技術を伸ばすには体力も必要だと思うので、まずは自分の体としっかり向き合って。そこからどんどん伸ばしていければと思う」と成長株は意気込んだ。

カーブに磨きを

15日(火)、キャンプは第4クールがスタートした。ブルペンで真っすぐに加え変化球を投じた才木浩人投手は、「シーズン中よりいいカーブになってきている。フォームの中で意識を変えて、前は緩いカーブだったが今はしっかり指に掛かっていい回転で投げられている。感触はいい」とカーブに手応え。「カーブをしっかり扱えることで、真っすぐやフォークが活きてくると思う」と、その重要性を感じている。

岡田監督も、「ボールに力あるよ」と評価。トミー・ジョン手術から復帰した今季は中10日以上あけての登板で4勝(1敗)をマークしたが、「2月にある程度、毎日投げ込みができたら、どんどん投げてくれたほうがいいけどな」と来季は中6日での起用を見据える。一年間ローテーションで投げ切るため、カーブに磨きをかけていく。

シートノックと投内連係、さらに特守では、板山祐太郎外野手と日本ハムから移籍の渡邉諒内野手が三塁の守備位置に就いた。佐藤輝明内野手で三塁固定の方針だが、指揮官は「一年間同じポジションでフル出場できるのは、1人か2人。なんかあった時の準備だけ、しとかんとあかん」と説明。板山も「自分にとってもチャンス。そういうところで存在価値を出していくのが自分の武器でもあるので」と前向きに捉え、「ファームでは今年はサードが多かったし、自分の中で違和感はない。どこを守るにしても中途半端だと意味がないので、高いレベルを目指してやっていきたい」と意欲を示した。

出塁率アップへ

16日(水)、中野拓夢内野手が特守で汗を流した。12日(土)からキャンプに合流し、二塁コンバートへ本格始動。直前の侍ジャパンの試合では二塁での出場機会もあり、「そこまで違和感なくキャンプに入ることができた。感触は徐々に慣れて良くなってきている」と話す。「体の使い方がショートとは違って逆に動くので、体が流れてしまったり後ろに体重が掛かって返球が弱くなったりしてしまう。そこはこれから慣れていくところ」と、課題を口に。岡田監督には「十分よ」と合格点を与えられたが、「いい動きをするためには、もっともっと数を受けて、体に沁み込ませていかないといけない。キャンプでしっかりセカンドの動きをマスターできれば」と表情を引き締めた。

「今は強く引っ張ることを意識している」という打撃では、出塁率のアップを目標に掲げる。2番起用を明言した指揮官からは打率3割以上をリクエストされ、「大変なこと。大事なことだと思っている」とした上で、「上位を打つのであれば、出塁率を上げてクリーンアップが打点を稼げるような状況を作ることが、チームとしての得点力を上げると思う」と自身の役割を認識。塁に出て、自慢の足で盗塁の増産も狙う決意だ。

より一層の実感

16日(水)、ドラフト5位指名の戸井零士内野手(天理高)が、大阪市内のホテルで仮契約。「より一層、実感が湧いてきた。ファンの方が多くてファンから愛されているチームだと思っているので、タイガースにふさわしい選手になれるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。甲子園に3度出場した右の強打者は、「ツーベースにこだわりを持っているので二塁打の記録と、首位打者を狙いたい」と抱負。「佐藤選手の打球の飛ばし方や体の使い方に興味がある」と、先輩との対面を心待ちにしている。

17日(木)には、名古屋市内のホテルで富田蓮投手(ドラフト6位・三菱自動車岡崎)が仮契約を行った。即戦力の期待がかかる21歳の左腕は、「1年目から10勝挙げられるように」と力強く宣言し、「新人王」を目標に。「チームやファンの人たちから愛される選手、勝てる投手になれるよう頑張りたい」と目を輝かせた。セールスポイントに挙げた「球速以上に伸びのある球」で、プロの世界に挑む。

キャンプは17日(木)、第4クール最終日に。午前中の守備練習では、走者を置いてのケースノックが行われた。三本間のランダウンプレーでは、岡田監督が指示を送る場面も。終了後には選手たちが集められ、アウトを確実に奪う意識づけが徹底された。

新体制の下、課題に向き合い鍛錬を重ねてきたキャンプも、休日を挟んでいよいよ最後のクールへ。実りの秋が、収穫の時を迎えようとしている。