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秋季キャンプコラム

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2024.11.11
新しい戦力の台頭
11月4日(月・振)〜11月10日(日)

秋季キャンプは、第1クールから第2クールへ。秋晴れの空の下、選手たちは野球に「没頭」する日々を送っている。

盗塁王奪還へ

キャンプ第1クール4日目の4日(月・振休)、ランチ特打を行った前川右京外野手が、46スイング中場外弾を含む15本の柵越えを披露。新任の小谷野栄一打撃チーフコーチからの「リラックスして振る」というアドバイスに応え、持ち味の長打力を発揮した。高卒3年目の今季は一軍に定着し、116試合に出場して打率.269、4本塁打、42打点をマーク。来季のアーチ量産に、期待がかかる。

午後の個別練習では、中野拓夢内野手が走塁練習に取り組んだ。筒井壮外野守備兼走塁チーフコーチ指導の下、帰塁とスライディングを何度もチェック。一、二塁間に直線を引き、蛇行せずまっすぐ走る練習も行い、タイムを測定しながら二盗を繰り返した。ルーキーイヤーの2021年には30盗塁で盗塁王を獲得したが、今季は自己最少の6盗塁。ユニフォームの足元を泥だらけにしながら、復活を目指す。

5日(火)、ホセ・ベタンセス投手とアンソニー・マルティネス投手の、来季の育成選手契約締結が発表された。今年1月にドミニカ共和国で開催された入団テストに合格し、育成選手として新加入。今季ファームで、ベタンセスは25試合にリリーフ登板して1勝2敗、防御率4.18、マルティネスは17試合で6勝1敗、防御率3.93の成績を挙げている。今キャンプでは、ベタンセスは3日の紅白戦で自己最速の161キロをマーク、マルティネスも9日の紅白戦に先発して2回無失点の好投と、アピール中だ。

「鼓動」高鳴る存在に

6日(水)、球団創設90周年を迎える来季の、記念ロゴとキャッチコピーが発表された。キャッチコピー「鼓動を鳴らせ。虎道を進め。」には、阪神タイガースが最も「鼓動」高鳴る存在でありたいという願いが込められ、「虎道」とはファンも選手もスタッフも一つになって歩んでいく道のこと。90周年のメモリアルイヤーに、期待が高まる。

7日(木)、キャンプ第2クールがスタート。ブルペンでは石黒佑弥投手が、藤川球児監督が見守る中100球超の投げ込みを行った。今秋から本格的に取り組んでいるのは、フォークボールの習得。ルーキーイヤーだった今季は一軍で3試合の登板に留まったが、新球を武器に来季の飛躍を目指す。同じくルーキーで今季は一軍登板がなかった椎葉剛投手も、2年目での巻き返しに意欲。この日はブルペンで藤川監督から直接指導を受け、体重移動を確認していた。

8日(金)、髙橋遥人投手が「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を無事に終え、愛知県内の病院を退院したことが発表された。髙橋は2022年4月にトミー・ジョン手術、2023年6月に左尺骨短縮術と左肩関節鏡視下クリーニング術を受け、今年8月に一軍復帰。5試合に登板し、4勝1敗、防御率1.52と復活を遂げた。骨に埋め込んだプレートを今回の手術で除去したことで、より良好な状態へ。「来シーズンしっかりチームの戦力になるために、また、ファンの皆様の期待に応えられるように、一生懸命頑張りたいと思います」とコメントし、翌日から鳴尾浜でリハビリを開始している。

若虎が名乗り

9日(土)、岡田彰布オーナー付顧問が視察する中、今キャンプ2度目の紅白戦が行われた。

初回、紅組先頭の佐藤輝がライトフェンス直撃の二塁打で出塁すると、前川は空振り三振に倒れたが1死二塁で打席には井坪陽生外野手。白組先発・津田の148キロ真っすぐをレフト線に運ぶタイムリー二塁打で、新生藤川阪神の初得点を呼び込んだ。井坪は高卒2年目の今季、ファームで105試合に出場して打率.275、2本塁打、28打点。来季の外野手争いへ、若虎が名乗りを挙げた。今季一軍初出場を果たした27歳の豊田寛外野手も、負けていない。この日はマルチヒットを放ち、紅白戦2試合で計5打数4安打とアピールを続けている。

紅組の追加点を挙げたのは、「9番・DH」で実戦デビューしたジーン・アルナエス内野手だ。母国パナマでの入団テストに合格し、10月29日に育成選手として加入したばかり。2回1死一、三塁で初打席を迎えると、二遊間を破るセンター前タイムリーヒットを放ち、初安打初タイムリー初打点を記録した。紅組は6回にも、榮枝裕貴捕手の2点タイムリー三塁打で得点。4-0で白組に勝利した。

第3回WBSCプレミア12が、9日に開幕。13日に初戦に臨む日本代表は9、10日にバンテリンドームでチェコと強化試合を行い、阪神から侍ジャパンに選出されている才木浩人投手と森下翔太外野手が勝利に貢献した。

9日の試合で4回から2番手で登板した才木は、3イニングをパーフェクトピッチング。7奪三振の鮮烈な代表デビューを果たし、勝利投手に輝いた。森下は9日、「6番・右翼」で先発出場。タイムリーを含む4打数2安打1打点で勝負強さを発揮すると、「4番・右翼」を務めた10日には初回に先制2ランを放ってヒーローに。お立ち台では「最高の結果になって良かった。世界一しか見えていないので、世界一に向けて突っ走っていきたい」と、いよいよ始まる本戦での活躍を誓った。