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春季キャンプコラム

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2024.02.09
「鳥谷イズム」注入
2月6日(火)~2月8日(木)第2クール

第2クール3日間は、昨年に続き阪神OB鳥谷敬氏が臨時コーチに。遊撃で4度、三塁で1度ゴールデン・グラブ賞に輝いた名手が、守備の極意を伝授した。

失策数半減へ

第2クール初日の6日(火)、鳥谷臨時コーチは宜野座キャンプで指導。小野寺の早出三塁特守に始まり全体練習、その後も特守で二塁・中野、遊撃・木浪、三塁・佐藤輝に助言を送った。

最後に個別指導も受けた佐藤輝は、「グラブや体の使い方を教えてもらった。今まで引いて捕るイメージだったが、しっかりグラブを出して捕るということを習得できた」と充実の表情。三塁に本格転向した昨季の失策20を、「半分ぐらいにできたら」と目標を掲げた。「ボールへの入り方を修正した」という鳥谷臨時コーチは、「自分が安心して守れるようになれば、打撃にもいい影響が出る。根気強くやってほしい」と若き主砲の背中を押す。

昨年「脱力」を意識するよう説かれた木浪は、今年は「スタートを強く切るように」とアドバイスされたことを明かし、「スタートに勢いがあれば、送球にも勢いが出る。足を使って投げられるようになった」と手応えを口に。昨季は遊撃のレギュラーを掴み、ゴールデン・グラブ賞を初受賞したが、「守備のことを常に考えている。今の自分に満足していないし、常に良くなる方法を探している。教えてもらったことを体に染み込ませたい」と貪欲な姿勢を見せた。

ルーキー椎葉がランチ特打のフリー打撃に登板し、前川と小野寺にカーブとスライダーを交え計40球を投じた。実戦は昨年9月以来で、「紅白戦で投げるために準備しておきたい」とチームで唯一登板を志願。安打性の打球は3本に抑え、「思ったよりバッターに向かって投げられたが、5球ぐらい連続ボールがあったのは良くなかった。7割ぐらいの力で投げたので、もっと出力を上げていきたい」と振り返った。見守った岡田監督は、「カーブは簡単にストライク取れそう」と即戦力右腕を評価。「どっちかと言ったら後ろのほうやろな。どんどん投げさせるよ」と、紅白戦やオープン戦での中継ぎ起用を示唆した。

目的意識を明確に

7日(水)、岡田監督がうるま市の具志川球場を訪れ、ファームキャンプを初視察した。目に留まったのは、3年目左腕の鈴木。「ブルペンで、えらいアピールしたな。ええボール投げとった」と目を細め、「今日みたいなボールを、バッターが立った時に投げられるかどうか。紅白が第一段階やな」と今季の飛躍を楽しみに。ベテラン陣の調整も確認し、「岩貞が一番良かったな」と順調ぶりにうなずいた。

鳥谷臨時コーチも、この日は具志川キャンプへ。高卒ルーキーコンビの山田と百﨑や、戸井、遠藤、髙寺ら若虎を、身ぶり手ぶりを交え熱血指導した。

宜野座では大山がランチ特打に臨み、100スイングで柵越え9本、うち4本は意識的に右方向へと運んだ。「バッティングに入る前に自分のテーマをしっかり決めて、打っている中でも1球1球変えたり、試合を想定してやっている。ここでの積み重ねが、一年間の自分の引き出しになると思っている」と、目的意識は明確。「昨年優勝して勉強になったし、勝つことでしか得られない経験があると感じた。優勝したいし、一年間でなく続ける大切さを感じているので、優勝目指してどうしたらいいかというのをやっていきたい」と、不動の4番が見据えるのは連覇だ。

復活への決意

朝は雨模様となった8日(木)は、室内練習場でスタート。鳥谷臨時コーチは早出特守を行う小野寺、前川に精力的に声をかけ、天気が回復した午後からはサブグラウンドで、小幡や佐藤輝らにアドバイスを送った。木浪、中野らには、二塁への送球を指導。「一つでも多くダブルプレーを取ろうというのは、二遊間が辞めるまで考えないといけないこと。もっと速くというのは、ずっとテーマになる」と、併殺奪取力の向上を求めた。

コーチ期間を終え、「教える難しさも感じたし、教えたことが身になってくるというありがたさも感じたので、充実した3日間になった」と笑顔で振り返った鳥谷氏。そのイズムは、後輩へとしっかり注入された。

第2クール3日間すべてブルペン入りした青柳が、「ちょっと疲れは出てきたが、ずっといいフォームでいいボールが投げられている。いい調子で過ごせている」と、キャンプでの順調な調整ぶりを明かした。前日は95球を投げ込み、「疲れた時にいいフォームで投げられるようにというのを意識しながら投げた」と、この日は51球。毎回テーマを持って、ブルペン投球に臨んでいる。「自分の実力アップはもちろん、開幕ローテを争っていかないといけない立場だと思うので、結果を求めながらレベルアップできれば」と、復活への決意をにじませた。

基本練習に取り組んだ第1、第2クールが終了し、次の第3クールではいよいよ実戦がスタートする。一軍、ファーム合同の紅白戦が予定されており、若手選手にとってはアピールの場となるが、「結果が悪くても気にしないで、今の自分の力を見せてくれたらいい」と指揮官。新たな戦力の発見にも、期待が高まる。