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春季キャンプコラム

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2024.02.21
連覇に向かって3連勝発進
2月16日(金)~2月20日(火)第4クール

一軍、ファームのメンバー入れ替えが行われ、16日(金)にスタートした第4クール。具志川で調整していた岩貞、岩崎、加治屋、島本、原口、糸原のベテラン組に、榮枝、さらには紅白戦でアピールした育成ドラフト2位の福島が宜野座に合流した。

「真っすぐで押せた」納得の左腕

17日(土)、今江新監督率いる楽天を宜野座に迎え、今年初の対外試合が行われた。

先発オーダーには近本、中野、大山、佐藤輝ら主力がズラリ。右肘を痛め別メニュー調整中のノイジーに代わり、「6番・左翼」には野口が入った。先発投手は青柳。1回無安打無失点で楽天打線を抑えると、2番手の伊藤将も1回1安打無失点で、共に順調ぶりを示した。

3回から登板した高卒2年目左腕の門別は、3イニングを2安打無四球3奪三振で無失点。前回11日の紅白戦に続く好投で、岡田監督の期待に応えた。自己最速151キロをマークした直球を主体に変化球も織り交ぜ、「真っすぐでファウルを取れたり、空振りや三振を取れたので良かった。真っすぐで押している分、変化球もすごく利いている感覚があった」と納得の表情。「今日みたいに、真っすぐで押していくのが一番大事。ファウルだけじゃなく、狙って空振りを取れるような真っすぐを目指していきたい」と課題を挙げた。

試合は4回、森下のチーム初ヒットから佐藤輝のタイムリーで先制すると、昨年8月13日ヤクルト戦での左尺骨骨折以来の対外試合出場となった梅野がタイムリーを放ち2点目。相手のバッテリーミスで3点目が入り、8回には原口のレフト線への二塁打をきっかけに小幡のファーストゴロの間に1点を追加し、岡田監督は「ああいう1点が大きい」と高く評価した。9回に1点差まで迫られるも、そのまま逃げ切り4-3で勝利。連覇を目指す2024年の初戦を、白星で飾った。

逆方向に3打数3安打

18日(日)はコザしんきんスタジアムで広島との練習試合に臨み、6投手で3安打完封リレー。打っては15安打4得点で快勝を収めた。

先発は、昨年のMVP&新人王、最優秀防御率投手に輝いた村上。2回無安打無失点で実戦初登板を終え、「真っすぐでファウルをしっかり取れて、詰まらせることもできた。チェンジアップでも空振りが取れたし、ツーシームもしっかりコースに投げられたので全体的に良かった」と振り返った。「このいい感覚を続けていけるように。開幕ローテーション、開幕投手目指してアピールしていきたい」と先を見据える。

「2番・二塁」で先発出場した中野は、3打数3安打。いずれも追い込まれてから逆方向へのヒットで、「しっかりボールの内側を叩けた分、自分らしい逆方向の打球が打てた。状況によっては引っ張るバッティングをしていきたい」とうなずく。紅白戦では「体の開きが早かった」といい、「ボールを長く見るように心がけた。打席でやりたいことができて良かった」と課題修正に手応え。昨季は最多安打のタイトルを獲得したが、今季は首位打者を目指し、「2番という制約のある打順だが、チームバッティングをしながら。まずはチームの勝利を優先して、自分も首位打者に向けて頑張っていきたい」と力を込めた。

厚みを増すリリーフ陣

19日(月)、新外国人投手のゲラが来日初の打撃投手を務めた。

ミエセスと前川を相手に計23球投じ、安打性3本、ボール球は9球の安定感を披露。前川には初球ツーシームをライトに柵越えされたものの、ミエセスからはカットボールで空振りを奪うなど、「感じよく投げられた。ブルペンと違って打者相手で気持ちの高ぶりもある中で、気持ちよく投げることができた」と満足げだった。

ショートの位置から見守った岡田監督も、「ボールになるのも、全部低めやもんな。1球も高めなかったやろ。そこはすごく評価できる」と称賛。「まだまだスピードも上がってくると思うし、勝ちパターンで、後ろのほうで投げられる」と期待を寄せる。

「体の面でも気持ちの面でもシーズンに向けて準備できているし、より良い選手になるために一日一日しっかり過ごせている」という右腕は、順調そのもの。鉄壁リリーフ陣の層をさらに厚くする、新戦力が加わった。

支配下復帰へ快投でアピール

20日(火)、宜野座で韓国サムスンとの練習試合が行われ、若虎たちが躍動した。

先発に抜擢されたのは、育成左腕の川原。12日の紅白戦での好投が岡田監督の目に留まり、ファームから唯一の参戦となった。その期待に3回1安打無失点の快投で応え、「腕も振れていたし、しっかり攻めていけた。0でいけたのは良かった」と安堵の様子。「カウント負けしないよう、初球ストライクを必ず取ることや3ボールにならないよう意識していた」といい、カウント球のスライダーについては「右バッターへはまだイメージが良くないので練習したい」とさらなる向上を目指す。「常に最後だと思っている」との決意で臨んだマウンドで、支配下復帰へのアピールを果たした。

打つほうで猛アピールに成功したのは、高卒3年目の前川だ。8番に入り、挑戦中のレフトで先発出場。2回2死、今春実戦9打数7安打となるヒットで出塁した佐藤輝を三塁に置き打席に入ると、フルカウントからの8球目チェンジアップを完璧に捉えた。痛烈な打球はライト芝生席へ。豪快な先制2ランで、外野のレギュラー争いを熱くしている。

18日に対外試合プロ初安打初打点をマークした福島が、この日は「1番・中堅」で実戦初スタメンも4打数ノーヒット。打線は振るわず得点は前川の2ランのみに終わったが、先発の川原から岩貞、加治屋、島本、漆原、岡留と零封で繋ぎ、9回はドラフト2位ルーキー椎葉がサムスン打線を3者凡退に。2試合連続の完封勝利で、対外試合3連勝となった。

主力の順調な調整ぶりと若手のアピールが光った第4クールが終わり、いよいよ22日(木)からは最終クールへ。オープン戦も始まる中、キャンプは総仕上げの時を迎える。