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藤川球児監督がオーナーへシーズン終了を報告
2025年10月31日 更新

31日(金)、阪神電鉄本社(大阪市)において、藤川球児監督が秦雅夫オーナーへシーズン終了を報告し、その後、粟井一夫球団社長とともに会見を行いました。

粟井一夫球団社長挨拶

皆様、本日は、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

先ほど秦オーナーに2025年のシーズンの終了報告を行いました。藤川監督からセ・リーグ優勝、そして日本シリーズ進出を果たしたことの報告をいたしまして、オーナーからは1年間全力で戦い抜いたチームへの労い、それから感謝の言葉もいただきました。

惜しくも日本一の座には届きませんでしたが、球団創設90周年の節目の年に、藤川監督以下、チームは最後まで諦めることなく、阪神タイガースらしい粘り強さをもって戦い抜いてくれました。

また今シーズンも阪神甲子園球場をはじめ、全国各地から熱いご声援をお送りいただいたファンの皆様、また長年にわたりご支援くださっているスポンサー企業の皆様、そしてタイガースの魅力を発信していただいているメディアの皆様、全ての皆様にこの場をお借りしまして、改めて心より感謝申し上げます。

この悔しさを糧に、阪神タイガースは来シーズン、セ・リーグ連覇そして日本一の奪還を目指し、チームフロントが一体となって挑戦を続けてまいります。今後とも阪神タイガースへ変わらぬご声援とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

藤川球児監督

―リーグ優勝という結果をもってのオーナー報告となりましたが、どんな雰囲気でお話は進んだのでしょうか

私自身がどんな時も変わらぬスタイル、変わらぬ姿で人と接するように日々心がけていますから、胸を張ってリーグ優勝の報告ができたとは思います。しかし、もしこれが違う順位でも胸を張って報告していたと思うので、あまり変わらないかもしれないですね。

―オーナーとのやり取りの中で印象に残っている言葉は

私自身監督として1年目で至らないところもありましたが、オーナーからは本当に1年間、リーグ優勝、ありがとうございますと、そういう言葉をいただきました。

―あの激戦から昨日の今日というところもあり、社長のお言葉にも悔しさを糧にということがありましたが、そういった雰囲気は話の中でもあったのでしょうか?

もちろん、悔しさはチームとしてありますけれど、自分は監督をやっていて、現役生活も20年やりましたが、悔しさから来る努力っていうのはあまりいいものではなく、努力を日々続ける中に試合があり、戦いがあるという風に、選手たちと共に昨年の11月のキャンプからスタートしました。「悔しさがあるから頑張れる」では、「いいゴールを迎えたから頑張らない」というところに至るわけで、アスリートというのは常に日々努力をし、その選手たちの努力を結びつけるために、4時間アスリートの体を借りて阪神タイガースとしてゲームを行う、その指揮を取るというところですから。悔しかろうが満足していようがやることは同じなんですね。だから悔しさはないと。相手が強かった。常に100%でぶつかっていますから、だから変わらないんですよ。

―球団にとっては90周年という大きな節目でのリーグ優勝、この点については

89年に渡る先輩方が残してきたこの阪神タイガースの歴史、強かった歴史、弱い中でも地道に頑張り続けた先輩方。それから厳しい視線が降り注がれる甲子園で悔し涙を流しながら戦ってきた先輩方、先輩監督も見てきました。

悔しながら2位で破れる、そんなチームを預かる監督さんの姿を見ました。その中で私がするべきことは、論より証拠。口で言うよりも行動で示すように、この監督を引き受けたと思って、この1年戦いました。リーグ優勝のご報告が今日できたというのは、言葉よりも行動を大事にした、その勝負に自分が打ち勝ったんじゃないかとは思います。

また、この結果をもたらすことができたのも、自分が20年間現役で務めて、いろんな監督さんに仕え、いろんなコーチの方々、先輩後輩と一緒にやってきました。みんなが感情を揺さぶられるようなそれだけ熱いファンの方、熱いメディアの方に囲まれての阪神タイガースですから。この90年目を預からせていただいた監督としては、芯を持った強い心のブレの少ないチームを作ると、それが体現できたんじゃないか思います。

―その監督像、リーダー像について、就任前に思い描いていたことが貫けたのか、あるいは少し変えた部分もありますか

貫けましたね。まあ変わることはないと思います。

この監督という役割を受けるにあたって、私でよければ引き受けさせていただきますと言った時点から志が変わることはないと思います。これが私のやり方です。

―この1年間を見ると選手が自分のより良いパフォーマンスを出すための環境づくりというところが非常に印象に残っていますが、監督ご自身のどういった経験からこの環境づくりに繋がっていきましたか

大きなテーマを掲げることがまず非常に重要で、小さな管理をすることよりも大きなことをやるべきなのが監督ですから、選手の健康と日々努力をする姿をファンの方に理解をしてもらう。それから選手たちの自尊心を、選手たちの素晴らしさ、アスリートの素晴らしさを分かってもらうことが、最もプロ野球の素晴らしいところ。ファンと選手と阪神タイガースの素晴らしさを共有できるんじゃないかと思って、それを掲げてみました。

それをやり遂げることができたので、リーグ優勝が出来たと思います。

―チームについて1年前と今とを比べてここが変わったな、ここが成長したなという部分は

選手たち個人の数字を見てもらえれば分かりやすいかと思います。選手たちは数字を残すことが最もプロフェッショナルなところですから。何名の選手がタイトルをとり、セ・リーグの6球団の中で、そのポジションで一番。その集合体がリーグで1位ですから。これは球団努力がある中ですけれども、それを下支えすること。選手のパフォーマンスとチームの結果とを結びつけることができる組織作りをしてきましたが、そこが大きく成長したんじゃないかなと。

ただ、成功の後にはもっとハードルが高くなる2026年がまっています。それはもう始まっていますから。まだまだですね。それがアスリートです。ゴールがないです。現役が終わるその日まで努力し続ける必要があるのがアスリートですから。

悔しさとか達成感はあまり関係ないです。やり続けるのみです。

―今シーズンのMVPを選ぶとすれば

監督の場所から見渡して一番頑張ったのは坂本です。それから中野ですね。
やはりチームを支えるということは、どれだけ難しく価値があるのか。表舞台で勇ましく戦って、メディアで踊るような選手もたくさんいます。ただ、組織で勝つということにおいては、目に見えない小さな積み重ねが必要で、それを体現してくれていたのがその2名。その中に大山も入ります。

―チームは明日から秋のキャンプが始まります。強化していきたいところは

これは先ほどオーナー報告でもお話しさせていただいたのですが、若い選手がたくさん行きます。チームとして今持っている課題は、右の速球派リリーフ投手たちの台頭が必要になります。今回のドラフトではない選手たちで獲得してきた選手たちの成長を来シーズン、ファンの皆様にシーズンを通して見ていただかなければいけません。

この選手たちを作り上げるべく、昨日、最後のゲームで村上、才木がベンチ入りしていたところに、あそこに本当のプロフェッショナル、チーム生え抜きの右のリリーフ投手たちを育て上げる責任がある。まずはそこが一番です。

それプラス、野手の方に目を向けるとですね。まだまだキャリアのない選手たちがいます。その選手たちがやるべきところは一芸なのか、それともトータルなのか、送りバントであったり、作戦系に卓越した選手を作るのか、それとも総合力の高い選手を作るのか。今日から行ってくれている平田ファーム監督と毎日連絡を取っていますが、さらに密に連絡を取って、課題と生え抜きの選手のバックアップを新たに作る必要があると考えます。課題は明確です。

―最後に多くのタイガースファンが監督の言葉を待っています。メッセージをお願いします。

まずは、今日リーグ優勝の報告ができたこと。これは全国各地であれ、どこの球場に行ってもファンの方が熱い、熱い応援をしてくれました。時には物足りないぞと𠮟咤激励をくださったことで、明日立ち向かうことができる。私はそれだけ強い自分を持っているつもりですから、チームが物足りない時は全て私に矢を向けていただいて結構です。それを元に頑張れたからこそ本日があります。日本一に届かなかったことも私の責任ですから、どんどん今度は日本一になるための刺激をください。でも、他のセ・リーグ5球団もリーグ優勝をするために日々もうチーム作りをしています。なので、球心一歩というテーマを私は監督を続ける間は持っていますから、一歩ずつ来た暁が最後の方ですから、また一歩ずつになります。ファンの皆さんと一緒に来シーズン、また1試合目から遠いゴールではなくて、毎日日々頑張っていきたいと思います。

遠いところではなくて秋季キャンプから応援に来ていただいて、最初に叱咤激励と選手の没頭する姿をまた見ていただいて、来シーズンの活躍に繋げたいと思います。1年間本当に感謝をしています。それと、90年長きに渡って応援してきていただいてきた感謝とともに、91年目また頑張っていきます。1年間本当にありがとうございました。