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終盤粘りを見せ引き分けに持ち込む

前半拙い攻撃で再三チャンスを逃した阪神が終盤の粘りで追いつき、延長10回1対1で引き分けた。

阪神先発・メッセンジャーは、今季巨人戦はここまで4試合で0勝2敗。3回で63球と球数は多いものの、速球を軸にカーブ、スプリットなどを有効に使う慎重な投球で前半を無失点で凌ぐ。

東京ドームでは今季5敗1分と未だ勝ち星の無い阪神。6回129球を投げ5安打6四球と制球に苦しむ巨人・澤村に対して、2度の二死満塁など殆ど毎回チャンスを作るが、6回まで11残塁と拙攻を繰返し、どうしてもあと1打が出ない。

すると6回裏、巨人は5番村田に送りバントを指示し、一死2・3塁と先制機を迎える。ここでメッセンジャーは、高橋由に平野のグラブを弾くセカンドゴロを打たれて1点を献上した。メッセンジャーは6回112球を投げて4安打1失点。好投も味方の援護なく報われなかったが、「良い投手戦になり、先発としての自分の仕事は出来たと思う」と振り返る。

リードした巨人は、リリーフ陣で逃げ込みに入る。7回は高木京に中軸を三者凡退に抑えられるが、8回表に3人目の田原から先頭マートンが死球で出塁すると、阪神ベンチが攻勢をかけた。代走上本の盗塁成功に続いて、新井良がバントで送って一死3塁。代打関本は空振り三振で二死となるが、切り札桧山が巨人4番手・山口の代わり鼻初球を捉え、センター前に価千金の同点タイムリーヒットを放つ。

阪神は筒井ー福原が繋ぎ、9回からは藤川が今季初めて回を跨いで2イニングを抑えて、ドローに持ち込んだ。9回裏、無死1塁では俊足鈴木の盗塁を阻止した小宮山の強肩も光った。

「桧山が勝負強さを見せてくれた。けど、前半にもっと決めておかないと…」。試合後は歯ぎしりの和田監督だったが、「引き分けでも何でも切っ掛けにしないとな。 こんなゲームをきっかけにしたい!」。終盤に見せた猛虎の意地を今後の反攻に繋げて行く覚悟だ。