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9回一挙6点!苦しい戦いを制する

同点の9回、相手守備の破綻に乗じて勝ち越した阪神が、苦しい戦いを何とかモノにした。

いきなり3連打され波乱の立ち上がりとなった阪神先発・能見だが、チェンジアップが冴えて4者連続三振を奪うなど、快調なペースで燕打線を抑えて行く。4回一死1・2塁、5回無死2塁のピンチも冷静な投球で得点を与えない。

東京ヤクルト 先発の村中に対して、初回の好機を逸した阪神は2回表、新井貴・平野の連打で一死1・2塁として8番藤井彰がレフトオーバー二塁打を放ち、1点先取する(平野は本塁憤死)。「次打者が能見だったので、何とか自分が打って…と思っていた」と女房役が笑顔を見せる。

追加点が欲しい阪神だが、上本の右中間二塁打から得た6回無死満塁には、新井良・関本・新井貴がヤクルト森岡の好守と村中の気迫に押されて凡打に終わり、非常に重苦しい展開となって行く。

それでも、能見は大和や平野ら外野陣の美技にも支えられ、懸命に虎の子のリードを守ってみせた。(能見は7回116球を投げて7奪三振の6安打無失点)

しかし、8回裏リリーフした福原が二死3塁で田中に右前安打を許して1対1となり、とうとう能見の勝ちが消えてしまった。

重いムードで迎えた9回表、虎に思わぬ追い風が吹く。平野のボテボテの打球(内野安打)がショート山田の悪送球を誘発してもらった二死3塁のチャンス。代打・桧山の時、ヤクルト守護神バーネットが暴投して、ラッキーな勝ち越し点が入った。

これですっかり集中が切れたバーネットは、桧山の投ゴロを1塁に悪送球すると、上本・大和に連続長短打を浴びてあえなくKO。猛虎打線は急遽登板した日高にも襲いかかって、鳥谷・新井良・関本の連打で貪欲に一気の6点をもぎ取った。

終わってみれば、先発野手全員の12安打で7対1の大勝だが、敵の自滅に助けられたのも事実である。「何としても勝とう!という気持ちが、ああいう得点に繋がったと思う」。…ヒーローインタビューで若い上本がナインの胸のうちを代弁。「これで猛虎打線は全開か?」と問われ、「ボクは何とも言えないけど、お客さんが喜んでくれたら、それで良いです!」と答え、苦笑いを浮かべていた。