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“神風”吹かせた福留の勝負強さ
この男の勝負強さはハンパではない。何しろ、風まで味方にしてしまうのだから。
0対0で迎えた延長11回裏。二番から始まるこの回に決められなければ、分が悪くなりそうな状況だった。荒木、マートンが倒れて、あっという間に二死。しかし、ゴメスが右前打で出塁すると、球場の空気が変わった。もしかして…。打席に入る背番号「8」を見て、そう思ったファンは少なくないはずだ。
2ボールからの真っすぐをつかまえた福留の打球は、センター方向へぐんぐん伸びて、バックスクリーン左へ飛び込んだ。サヨナラだ!
「こういう緊迫したゲームを決めるのは大体、孝介。ちょっと距離が足りないかなと思いましたけど、神風が吹きましたね」
試合後のテレビインタビューで、「神風」という言葉を使った和田監督。その思いは福留も同じだったようで、「風に助けられました」と言った。
「この球場で、あそこの反対方向へ放り込むのは難しい。最後、風がひと押ししてくれました。きょうは最後まで浜風が吹いていましたね」
風の手助けはあったかもしれないが、あの緊迫した場面で、あの打球を打てること自体がすごい。勝負強さについて聞かれた福留は、「秘訣も何もない。あまりいろんなことを考えず、シンプルに来た球を打つだけ」と答えた。
本当は、10回無失点に抑えた藤浪に勝ちを付けてあげたかった。だから、声を掛けた。
「僕らが点を取れない中で、ずっとゼロで頑張っていた。だから、すまんかったなと。次回は助けてあげられるようにしたい」
言葉にしなくても、藤浪にはその気持ちが伝わっていたはずだ。