FlashPlayerのバージョンが低いか、インストールされていません。
『おかわり』に泣いた月末
快勝ムードが暗転。『おかわり君』の勝負強さに必勝プランを吹き飛ばされた。
埼玉西武先発は台湾出身の右腕・郭 俊麟。阪神は２番ファーストで荒木（ゴメスは指名打者）、今成・伊藤隼・藤井・上本を下位に並べる。初回 内野安打と死球の一死１・２塁から４番ゴメスの三塁線突破適時安打で先制した阪神だが、更に続いた一死満塁で今成・伊藤隼は凡退する。「打ったのはチェンジアップ。チャンスの場面で打てて良かったよ」と先制打のマウロ・ゴメス内野手が振り返る。 郭は変化球で上手く緩急をつける投球で次第にペースを築いていく。
阪神先発・能見は、ファーストストライクから積極的に振って来る西武打線に対してフォークボールを有効に活用。藤井の巧みな配球もあって、中盤あたりからテンポが良くなった。
５回表 郭から３番マートンが左手にこの日２個目の死球を受けると両軍が睨み合う不穏な状況に。『警告試合』として再開されるが、一死１・２塁で福留が二ゴロ併殺に倒れて阪神はチャンスを生かせない。その裏 森の内野安打から二死１・２塁のピンチを迎えた能見は、１番 秋山を外角速球で見逃し三振に仕留めた。
６回表 伊藤隼の右飛をライト木村が落球、８番 藤井はやや前進守備だった左中間へ適時二塁打を放ち、阪神に追加点が入る。続く上本を歩かせたところで西武は郭からサウスポー武隈にスイッチする。１番 鳥谷は四球で一死満塁となり、代打・関本の中犠飛でもう１点。３番手・岡本篤からもマートンのショート内野安打で４対０と更にリードを広げた。
「打ったのはストレート。能見がいいピッチングをしてくれていたし、追加点で援護することが出来て良かった」と藤井彰人捕手が話す。「とにかく走者を還すことだけを考えて打席に入った。最低限の仕事は出来た」。やはり、ベテランの味を発揮した関本賢太郎内野手も笑顔を見せている。
だが、ここから埼玉西武が攻勢に転じる。６回裏 能見は二死２塁から５番メヒアに左前適時安打を許して失点。７回には木村・炭谷の長短打で無死２・３塁となり、９番渡辺の中犠飛に１番 秋山の左前適時安打で返されて、更に栗山・四球で阪神ベンチは安藤への交代を決断した。安藤は浅村を見逃し三振に取るが、４番 中村に２試合連続アーチとなる15号逆転３ランを左中間スタンドへ打ち込まれてしまう。
後半は疲れからか？やや投球ゾーンが甘くなり、６回1/3（112球）８安打 ７三振２四死球で結果５失点となった能見篤史投手。６回メヒア適時打の直前 中村を三振に仕留めた際、左手の指を気にしていたが、「爪が引っかかっただけで、めくれていない」と影響を否定。「最初から飛ばして行った。バテただけだ」。悔しさを胸にしまい込んだ。
８回にも二死１・３塁から途中出場・脇谷の左前適時安打と浅村の中越え２点適時二塁打で松田がダメ押し点を許して、９対４。終盤は西武打線の威力を見せつけられる展開で、阪神が連日の大敗を喫する。７回１イニングを無失点に抑えた７年目のサウスポー西武・宮田が嬉しいプロ初勝利。４点リードを守れなかった能見は早くも６敗目だ。
「皆が繋いで繋いで回してくれたから・・・」。敵の主砲・中村剛也内野手の３発計９打点で連日の悔しい逆転負け。 ５月を１２勝１３敗で終えた阪神・和田 豊監督は、「それ（中村の一発）よりも栗山への四球が痛かった。（能見は）７回からガタッと来たけど、何とか凌いで欲しかった。（中村を）抑えられなきゃ商いにならない」と逃げ切り失敗を悔やむ。
「（安藤への交代は）当然。ちょっと中へ入ってしまったな」 。中西清起投手コーチは問題の場面を振り返った。痛恨の逆転弾を浴びた安藤優也投手は、「打たれたのはシュート。打たれたんだから甘いんでしょ！ 」と吐き捨てている。
乱闘寸前となった５回表の死球についてマット・マートン外野手は、「なかなかストライクが来ないのでイライラした部分はある」事を認めたが、言葉少なに西武プリンスドームを引き揚げて行った。
