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安藤、値千金の一球！
序盤の集中攻撃で逆転した阪神が、後半の追い上げを振り切って再び首位ヤクルトに並んだ。
中日は先発・山井と組んで、谷繁元信監督兼捕手が日本新記録となる出場3018試合目のマスクを被った。「（自分が）若い頃から見てるけど、妥協することなく大きな怪我も無く、この記録を残した事はただ凄い！」と、元チームメイトの福留孝介外野手は最敬礼だ。
阪神先発・岩田は２回裏 無死１塁にヒットの平田を背負って６番エルナンデスに左中間へ９号２ランを浴び、あっさり中日に先制を許す。
直後の３回表 山井は先頭打者への四球から一死満塁のピンチを招く。共に初球を狙った上本・福留の連続右前適時安打で同点とした阪神は、二死後 ５番マートンの左前２点適時安打で勝ち越し、更に７番 江越も満塁から中前２点適時安打を放ち、この回打者１２人の猛攻で一挙６点を奪った。
勝ち越し打のマット・マートン外野手は「ボール気味の球だったけれども良い所に落ちてくれて良かったよ」と話した。「とにかく低目のボールを振らない事と 浮いてきたボールは積極的にいこうと思って打席に入った。シュートかフォークだと思うけど、球種に関係無く甘い球を思い切って行こう！と。当たりは良くなかった。飛んだところが良かった」。江越大賀外野手もビッグイニングに参加して口も滑らかだ。
逆にリードをもらった岩田は３、４回を無難に凌いだが、５回は無死１・２塁のピンチから内野ゴロの間に１点を失い、６回裏は二死からエルナンデスにヒットを打たれ、７番 赤坂にはスライダーを左中間へ運ばれて更に１失点。尚も満塁となって代打・和田が出てくると阪神ベンチも岩田を諦め、安藤へとスイッチした。「大量援護をもらっていただけに、もっと長いイニングを投げないといけない展開だったと思う」。５回2/3（89球）８安打４三振２四球４失点の岩田 稔投手は、反省の言葉を口にしている。
長打なら逆転の厳しい場面で２番手・安藤は、和田に散々ファールで粘られたもののフルカウントからの１２球目を内角へ直球を配し見逃し三振に斬って取る。続く７回裏も二死１・３塁のピンチだったが、４番ルナを左飛に打ち取り、見事に無失点で役目を果たした。
４回以降は祖父江～岡田～福谷～高橋聡の中日リリーフ陣に無安打に抑えられた猛虎打線。追加点が取れずに後半は大苦戦となったが、あとは福原～呉 昇桓の必勝リレーで６対４と逃げ切った。
剣ヶ峰で踏ん張った安藤優也投手はヒーローインタビューに選ばれ「ボクで良いのかな？すいません、皆さん！」とファンに謝っていたが、確かに６回裏二死満塁が勝負の分かれ目だった。「素晴らしい打者の和田さんなので、気持ちだけは負けないように！と。あそこはもうインコース真っ直ぐしかない！と思ったので、自分の力を信じて投げ込んだ。岩田の勝ちを消す訳に行かなかったので・・・鶴岡が上手くリードしてくれた」。ベテラン右腕は充実の笑顔を見せている。
「（３回は）リズムの良い攻撃が出来た。走者を出してから狙い球を絞って内容ある打席が多かった。早いカウントで行けたし、打ち損じる事無く一発で仕留めた」。和田 豊監督は、この試合の全６安打を集中させ大量点を奪った攻撃を評価していた。「（リリーフ陣では）安藤が大きかった。あの場面を打ち取って、完全に流れを止める事が出来た。（岩田は走者を背負う）セットだとスピードが落ちて、球が高かった。長い間勝てず、コレでスッキリするのでは？」。
この夜ヤクルトの連勝が止まり、再び同率首位に並んだ阪神だが、平田勝男ヘッドコーチは「（３回の集中打は）ホント、良かったよ！（だけど）本音は、あと１点！やっぱり欲しかったけどね」と、ちょっぴり苦言も忘れていなかった。
