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関本の引退試合を白星で飾れず
勝てばCS進出を決められる一戦。19年間、チームを支えてくれた関本の引退試合。どうしても勝ちたいゲームだったが、0対6で完封負けしてしまった。これでCSの行方は7日の広島対中日の結果次第となった。
天敵・黒田にまたしても封じられ、得点を期待させるシーンが少ない展開で球場が最も沸いたのは、8回二死一塁から「代打・関本」が登場した場面だった。
いつもと同じイニングに、いつもと同じ準備を始めた関本だが、さすがに打席では平常心を保てなかったようだ。
「いつもはフォームであったり、狙い球であったり、注意点を考えて打席に入るんですけど、きょうはぶっ飛んでました(苦笑)」
その代わり、いつもは聞こえないはずのファンの声援が、きょうは聞こえたと言う。
黒田に対して見逃し、空振りと2球で追い込まれたが、ボール球を2球見極め、さらにファウルで粘ったのは、さすが関本。結局、最後になるかもしれない打席は投ゴロに終わったが、スタンドからは惜しみない拍手が送られた。
さらに、予定にはなかったが、「監督とヘッドが配慮してくれて」(関本)三塁の守備に就くと、再び大歓声。右手で甲子園の黒土をなでる姿は、聖地に別れを告げているようにも見えた。
試合後のセレモニーでは、100点満点のスピーチをした。球団に、家族に、裏方さんに、そしてファンに、感謝の言葉を並べた関本は、試合後もまた「感謝しかない」と繰り返した。
最後は昨季まで7年間、ともに戦った広島・新井とキャプテンの鳥谷、2人の息子から花束を受け取り、監督、コーチ、チームメートと一人ずつ握手。場内を一周してファンに手を振り、仲間たちから背番号にちなんで3回、胴上げされた。
「聖地・甲子園で、これだけ多くのファンの皆さんの前で引退できる僕は幸せです」
スピーチでのこの言葉が、関本の気持ちをすべて表している。ただ、まだ終わったわけではない。CS進出の可能性もある。
「練習もあるし、全力でやっていきたい」
背番号「3」にお別れするのは、まだ早い。