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勝った気がしない

手痛いバッテリーのミスなどで終盤荒れた展開になる中、追加点を確実に重ねた阪神が何とか星を拾った。

初夏らしい青空の下、満員となった憲法記念日の神宮球場。 今季はナイトゲーム翌日のデーゲームが4戦全敗という悪い流れを変えたい阪神は、キャンベル・北條らを外しヤクルト先発・山中対策で今季初スタメン荒木を1番に起用。開幕以来先発マスクだった梅野も岡崎に代えるなど、失策続きの守備陣へのショック療法とも思える大幅なオーダー改造を敢行した。

阪神先発は、中14日と間隔が開いた左腕・岩貞。初回いきなり坂口・山田のヒットと雄平・死球で二死満塁となり、6番 中村に押し出し四球を与えて東京ヤクルトに先取点を許す。熊本・必由館高の先輩・山中と投げ合う岩貞だが、投球に切れを欠き制球も定まらず2回で51球を要するなど苦しい立ち上がりだ。

 2回表 阪神は福留・高山の連打から一死2・3塁とするが、3度目スタメンの7番 糸原がニ飛に倒れるなど好機を生かせない。その後は山中が丁寧な投球を見せ5回まで1対0が続いた。

6回表 1番からの攻撃となった阪神は、荒木が放った今季初安打となる左中間への当たりをバレンティンが素手で弾く失策も絡み無死2塁。上本のバントが犠打野選、糸井も当たり損ねが適時内野安打となって追いついた。二死後、6番 鳥谷の中前適時安打で阪神が2対1とこの試合初めてリードを奪う。山中は6回(102球)6安打1三振2四死球2失点で降板となった。

同点打の糸井嘉男外野手が言う。「岩貞が頑張って投げてくれていた中だったので、どんな当たりでも同点打になって嬉しい」。勝ち越し打点の鳥谷 敬内野手は、「打ったのはスライダー。抜けてくれてよかった。ラッキーだった」と15試合振りの適時打を振り返っている。

中盤以降立ち直った岩貞は、何とか6回(106球)を5安打5三振2四死球1失点で粘り切った。「良く言えば『粘れた』と言えるかも知れないが、悪く言えば『何とかゲームを作れた』というレベルの投球だった。チームに流れを呼び込めるような、力で押したり変化球で躱(かわ)したりするようなメリハリのある投球がしたかったが、出来なかった。立ち上がりに走者を出して球数が多くなってしまったことも反省」と、岩貞祐太投手は登板後も厳しい表情のままである。

8回表  ヤクルト3人目・ギムレットから糸井・福留の連打で無死1・3塁とした阪神は、一死後 鳥谷の一ゴロが糸井の俊足で野選となって追加点を挙げる。更に二死満塁から代打・中谷がバットを折りながらも左前へ2点適時安打を放ち、5対1とリードを広げた。

しかし、その裏 阪神3人目・マテオが乱れに乱れる。二死から中村に死球を与え満塁とすると代打・大松に押し出し四球。更に岡崎の捕逸で失点後、8番 谷内の投ゴロをファンブルする失策で忽ち1点差に迫られた。

阪神は9回表 ヤクルト4人目・原 樹里を攻める。一死1塁に途中出場で内野安打の大和を置いて4番 福留がセンター左へこの日4安打目となる適時二塁打を放って突き放した。更に代打・北條の中前適時安打、ルーキー糸原の左越え適時二塁打で漸くダメを押す。最後は守護神を送って万全を期した阪神だが、ドリスもピリッとせず無死1・2塁と走者を溜める。それでも、山田を遊ゴロ併殺打に取り、最後はバレンティンを見逃し三振に仕留めて8対4で試合が終わった。滑り出しは不安だった先発・岩貞が、約2週間振りの2勝目をマークしている。

ヒーローインタビューはダメ押し二塁打を含む4安打の福留孝介外野手。1試合4安打以上は今季2度目、プロ通算19度目だが、「とりあえず勝ててホッとしている。(9回表の打席は)昨日もチャンスでボク自身が打ててなくてチームに迷惑をかけていたし、その前にちょっとミス(江越のバント失敗)があったので、何とかして取り返してやろうと思って入った。(適時二塁打は)ついてましたネ。(その後も北條のヒットで激走・生還したが)まだ、走れますね、ハイ」と笑顔を見せた。

「勝った気がしないネ」。 金本知憲監督は、冷や冷やだった終盤に不満気だ。それでも、「福留だけじゃなくて、中谷のも北條のも後半の適時打は全てが大きかった」と打線を褒め讃える。6回表先頭で荒木が2塁を陥れた好走塁については、「バレンティンの動きをしっかり見て、ボールから目を離さなかった。こういう小さいプレーが本当に大きい」と話した。9回、北條の中前安打で2塁から福留を返した走塁指示も「高代ヘッドのファインプレー」だと絶賛する。

ただ、序盤のチャンスで状況判断の拙さから凡退した糸原の打撃には苦言を呈す。「走者が3塁まで行って、守備隊形から見たら1点くれると言うところ。(ゴロを打てば点が入るケースなのに)フライを打ってしまう。最低限の事が出来ていない。ルーキーと言っても社会人の経験があるのだから何とかして欲しい」と、これも期待の裏返しから厳しい言葉が口をついていた。