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今が底かな?

何度かあったチャンスにもう一押しの出来ない阪神が、好機に主砲が確実に機能した中日に競り負けた。

中日先発は、地元・浜松市出身の鈴木がプロデビュー戦以来3年振りとなる故郷での凱旋登板。4連敗中の阪神は、ローテーションの柱に成長した秋山を立てる。

先手は中日。1回裏 京田・荒木の連打から一死2・3塁として4番ゲレーロが左犠飛を打ち上げ、簡単に1点を奪った。

3回表  阪神は梅野のチーム初安打となる左中間二塁打から二死2・3塁の好機を作るが、3番 糸井は二ゴロに倒れる。鈴木は、制球にバラつきがあるものの要所要所でシュート・フォークなどを効果的に決めて、掴みどころのない投球を見せる。セカンド荒木の美技にも助けられて波に乗っていく。阪神は6回表一死1塁で5番 中谷に代打・原口を送るも、空振り三振で不発に終わった。

一方、秋山も安定した内容を見せるが、4回裏 4番ゲレーロにバックスクリーンへの21号ソロ本塁打を浴びて2点目を奪われた。秋山は6回(71球)まで投げて 4安打 4三振 無四球2打点で降板となった。「初回の投球でストライクを揃え過ぎてしまったところを打たれ、失点してしまった。ピッチング事態はアウトコースとインコースをしっかり使う事で一人一人打ち取ることが出来たが、ゲレーロ選手に打たれた本塁打は力負けだった。次は味方が点を取ってくれるまでは、相手に点を与えないような投球が出来るように頑張る」。降板後、秋山拓巳投手が振り返っている。

中日・鈴木は6回まで阪神を2安打無失点に抑えていたが、7回表 梅野・右二塁打と秋山の代打・俊介が選んだ四球で一死1・2塁となったところで左腕・小川と交代する。小川は高山をスライダーで空振り三振に取る。中日ベンチは更に3人目・伊藤を投入するが、上本・糸井に連続ストレートの四球を与え押し出し。阪神が漸く1点を返した。堪らず中日は、4人目・又吉に代えて4番 福留を空振り三振に斬って辛くもリードを守る。

8回表  阪神は四球と鳥谷の内野安打で無死1・2塁とするが、7番 糸原がバント失敗。梅野の犠打で二死2・3塁として代打・伊藤隼を送ると中日は又吉から岩瀬にスイッチした。阪神も代打の代打・大和を起用したが、フルカウントから外角いっぱいのスライダーを見逃し三振に倒れた。その裏 阪神3人目・高橋が2安打1四球で二死満塁のピンチを招くと藤川に代えるも、ゲレーロに押し出し死球を与えて手痛い3点目を献上する。

結局、最後は中日・田島に抑えられ3対1で阪神は敗れた。ビハインドの展開でも2番手に桑原を投入する執念も実らず、21年振り浜松での試合を落として5連敗。首位広島とは6ゲーム差に開いている。勝った中日はゲレーロが全打点をマークする活躍を見せて、先発・鈴木は御当地・浜松で嬉しい白星を挙げた。     

片岡篤史打撃コーチが言う。「(鈴木は)フォークが良かったけど、それにしても手を出し過ぎた。(このチームは決めるべきところでバントを決めたりして好調をキープして来たのだから)そういうところをしっかりやりたい」。

「やっぱり、一番は打線。今が底かな?   一年の中にどのチームにも必ずこういう時期はあるものだか、ウチはその時期に来ていると思うしかない。(チャンスをモノにするべく)ベンチも姿勢を見せた。バント失敗もあったけど・・」。金本知憲監督も、重症の打線を嘆いた。「それでも、声が出てるし、下を向いている選手はいない。打てない!勝てない!というのはあるけど、前向いてやってるから」必ず状態が上がって来る事を指揮官は、信じて待っている様子だった。