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惜しくもあと1点。リベンジは1ヶ月後

360度、どこを向いても黄色いユニフォームが目に入る。選手にとってどこよりも声援を受けられる球場が甲子園だが、この日の様相はいつもと違った。レフトスタンドや3塁アルプス席のほとんどをカープファンが陣取り、球場の左半分が赤く染まった。

普段とは違う雰囲気の中、先発のメンドーサは4回までに5安打を許しながら2失点にとどめると、中谷が追撃の一発をセンターバックスクリーンに放つ。これが今季20号。確かな成長を示した。

1点差とすると5回、メンドーサがこの日初めて広島打線を三者凡退に抑える。香田投手コーチは「前回よりも状態はいいように思いました」と助っ人の投球を評価しつつ「いずれにしても先頭バッターですね」と初回から4イニング連続で無死の走者を背負ったことについては反省を促した。

6回からは石崎がマウンドに上がり簡単に2死とすると、エルドレッドに対しては155km/hのストレートをアウトローいっぱいに決め見逃し三振。連続三振を奪った7回に死球で走者を1人背負うが、ここで6回の守備からマスクをかぶっていた梅野の強肩が炸裂する。セリーグトップの32盗塁を決めている広島の田中を刺し、タッチアウト。「梅野に助けてもらいながらですけど、任されたところで仕事はできた。0点に抑えられて良かった」という石崎の好リリーフでピンチの芽を積むと、その裏、代打・陽川が中谷同様バックスクリーンに本塁打を叩き込む。

若手の大砲が持ち味を発揮し試合を振り出しに戻したが、8回に勝ち越しを許すと2度目の同点劇はならず。糸井、福留の放った大飛球が惜しくもフェンスまで届かずアンラッキーな部分もあった。3連敗を喫した5日からのマツダスタジアムでの3連戦も内容的には紙一重。優勝は逃したがチーム力は肉薄している。

幸い、やり返すチャンスはまだ残されている。CSファイナルステージの開幕は今日からちょうど1ヶ月後の10月18日。目の前で優勝を決められた悔しさを胸に、まずはファーストステージを突破し、敵地でのリベンジを誓う。