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福留の日米通算300号は惜しくも空砲

2回に先制を許し、打線は0行進。
4月のナイター、底冷えする甲子園には冷たい風が吹いていた。

それでも先発・藤浪がテンポ良くアウトを重ねていくと、次第に風向きが変わり始める。

5回にはこの回先頭の糸原がチーム初安打を放つと牽制悪送球と梅野のバントで3塁に進む。6回にも先頭の鳥谷が持ち前の選球眼の高さを生かして四球で出塁し、続く糸井が打ち上げた高いフライはセカンドとセンターの間にポトリ。得点には至らなかったが2イニング続けてチャンスを作り甲子園の熱気は高まりつつあった。

藤浪が「しっかりやっていることが出せたかなと思います。落ち着いて投げられました」と7回を1失点に抑え、1-0のまま迎えた8回には2番手の岩崎がマウンドへ。ヤクルト・山田に一発を浴びてしまうが、2死1、2塁からの安打で一気に生還を狙った走者を糸井が刺す。見事なダイレクト送球で3点目を阻止した。

とはいえ8回まで散発3安打。2点を追う9回の攻撃が始まった時点では敗色濃厚の雰囲気が漂っていた。それでもそのまま終わらないのが猛虎打線の底力。

先頭のロサリオが投手強襲安打で出塁し、福留が真ん中高めに来た失投を振り抜くと打球は右中間へ一直線。着弾を確認する前に球場の誰もが同点アーチを確信した。これが日米通算300号。土壇場で試合を振り出しに戻し、今季初の延長戦へ突入した。

しかし10回にドリスが勝ち越し点を奪われ、福留の節目の試合を勝利で飾れず。金本監督は「あそこで打ってくれるのが孝介であって、あのホームランを勝ちに結び付けないとチーム全体で。そういう意識でやらないと」明日の先発は昨季の勝ち頭の秋山。満員確実の土曜日の甲子園で明日こそ六甲おろしを響かせる。