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青柳、痛恨の被弾

連夜の序盤大量失点で後手に回った阪神が、終盤必死の追い上げも届かず敵地で連敗を喫した。

巨人先発は、昨季阪神戦2勝 防御率0.61と抜群の成績を残した左腕メルセデス。難敵相手に矢野監督は不振の木浪を外し、今季初めて1番ショートに北條をスタメンで起用した。また、前夜の試合で左足の指を負傷した梅野が精密検査のため緊急帰阪となった事もあり、8番には坂本が入ってマスクを被る。初回ヒットで出塁した近本が牽制に釣り出され、2回表は福留・中前安打の後 ナバーロが遊ゴロ併殺打。序盤は攻撃が噛み合わない。

今季初登板となる阪神先発・青柳は初回一死から坂本・丸の連打で1・2塁とされるが、4番 岡本を遊ゴロ併殺に打ち取った。しかし、3回裏 先頭・田中俊のヒットから二死1・3塁となって3番 丸には追い込んだ後の内角低めを巧みに掬われて右中間へ2戦連続の先制2号3ランを食らってしまう。気落ちしたのか?続く岡本にも2者連続アーチとなる中越え1号ソロ本塁打を浴びて一気に4点を献上した。今季初アーチの岡本和真内野手は、「(坂本)勇人さんにドサクサに紛れて打て!と言われた」と明かしている。

「立ち上がりからボール自体は悪くなかったのだが、ピンチの場面で粘ることが出来ずに先制点を与えてしまい、先発としての役割を果たすことが出来なかった」。 青柳晃洋投手は5回(73球)まで投げて、5安打 1三振 1四球 4失点。返す返すも丸に打たれた場面が悔やまれる。

序盤メルセデスの真っスラに苦しめられた阪神は、4回表 敵失で出た近本と糸井の右前安打で一死1・3塁の好機を作るが、4番 大山が浅い右飛。5番 福留も右中間のライトフライに倒れて得点に結びつかない。この後も天敵の前に阪神打線が凡打を重ねていく。

7回裏 阪神2人目・飯田は二死満塁から4番岡本にレフト線へ2点適時二塁打を浴びる。6対0となって完全に勝負は決したかに思えたが、8回表 猛虎が意地を見せる。上本・中谷・北條のヒットで二死満塁として2番 近本が左前2点適時安打を放って漸くメルセデスから得点。3番 糸井も変化球を狙い打って右前適時安打を放ち、この回阪神が3点を返した。

9回表は、巨人の新守護神・クックを福留の左中間二塁打などで無死1・2塁と苦しめたものの、7番 糸原が遊ゴロ併殺打。続く途中出場・中谷も空振り三振に倒れて万事休す。6対3と巨人に敗れた。巨人は4連勝で首位をキープ。8回(113球)8安打7三振 無四球 3失点と好投のメルセデスが今季初白星を手にしている。

「(青柳が丸に打たれた3ランは)決めに行ってるボールやからね。勿論あれを打つのはさすがという部分はあるにしても、やっぱり勝負に行ってるところやから、もっと厳しく行けたと思うし。もったいないと言うか…」。開幕連勝後3連敗の矢野燿大監督は、捕手の立場から痛恨の被弾を悔やんだ。終盤に反撃して見せ場を作った事に関しては、「でもね。(7回裏に)あの2点を取られてからと言う、結果的に遅いというのはどうしてもある。ポン(上本)とかマサヒロ(中谷)とか代打陣がああいうところで打ったというのは今後に向けて、チームとしてはプラスだと思うけど。先に出てる人は、その前にちょっと何とかしないと!と言うのが一番だよね」と語っている。

清水雅治ヘッドコーチは、チャンスでなかなかタイムリー打が出ない4番 大山について「監督から乗り越えろ!と言うメッセージだ。本人も何とかしないといけないと言う感じだけど、周りが打ってプレッシャーを与えないようにしないとね。みんなが打てば、自然と上がって来る」と話す。「やっぱり先取点!取れば楽な方向に回って行く。明日は(先取点を強く)意識したい」。チームは苦しい状況だが、ベンチ全体でムードを変えて行きたい。