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同期の絆!友情の白星

先手を取られ前半は苦しい戦いを強いられた阪神が、後半に盛り返し盤石の継投で連敗に終止符を打った。

ヤクルト先発左腕・山田大は、今季6月に中継ぎから配置転換後4連勝中。対する阪神は、前夜のスタメン7番捕手・梅野に代え原口を起用して臨む。山田大は初回3者凡退で立ち上がる。2回表 阪神は福留の意表を突くバントヒットと2四死球で二死満塁とするが、9番 秋山のセンターへ抜けそうな当たりをショート 奥村の美技(遊ゴロ)に阻まれ無得点に終わった。3回表にも二死から糸井の内野安打と大山・左中間二塁打で2・3塁と山田大を苦しめるも5番 福留は二ゴロに倒れて、あと一押しが出来ない。右打者への内角、左打者の外角へ来るカット系の球が、猛虎打線には厄介だ。

阪神先発は2週間振り一軍登板で5月7日ヤクルト戦(神宮)以来の3勝目を目指す秋山。ヤクルトはバレンティンを4番に戻し、1〜3番は太田・青木・山田哲が務める。秋山も初回3人で片付ける上々な滑り出し。同じ2009年ドラフトでの高卒入団同期となる原口とのコンビで2回までは無安打に封じるが、3回裏二死から1番 太田に逆方向へ運ばれレフトスタンド最前列に飛び込む3号ソロ本塁打を浴びて先取点を奪われた。

4回裏 秋山は先頭3番 山田哲に左二塁打を浴びて無死2塁と厳しい状況となるが、バレンティンをフォークで空振り三振。雄平を二ゴロ。村上も落ちる球で空振り三振に仕留めて、見事に切り抜ける。続く5回裏も先頭・中村の右前安打と秋山の野選で無死1・2塁のピンチを背負う。原口の鮮やかなバント処理もあって何とか二死1・3塁とするも2番 青木に上手く一二塁間を破られ右前適時安打で追加点を取られた。

6回表 阪神は先頭・糸井の左越え二塁打で無死2塁とすると4番 大山が詰まりながらも左前適時安打を放ち、漸く1点を返す。その後、二死3塁となって7番 原口の投手強襲適時内野安打で同点に追いつく。続く北條は甘く入った初球チェンジアップを逃さず左中間への勝ち越し適時二塁打。走者・原口が激走して生還。阪神が3対2と試合をひっくり返した。山田大は、ここで交代。5回2/3(82球)7安打4三振2四死球3失点だった。

「打ったのはツーシーム。一生懸命、必死に走った。アキ(秋山)のためにも絶対に1点ほしい場面だったので、あの回で一気に逆転出来て良かった」。原口文仁捕手が執念の同点打を振り返ると、勝ち越し打の北條史也内野手も次のように話した。「甘い球が来たら絶対いったろ!と思っていた。何とかこの試合、勝てるように頑張る」。

逆転後、代打・鳥谷を告げられた秋山は5回(79球)を4安打5三振1四球2失点で救援陣に勝利を託す。「先制点を許してしまって、何とかその1点で粘っていきたいと思っていたが、2点目は防げた失点だっただけに悔やまれる。球自体は自分の感覚として徐々に良くなって来ている部分はあるので、次回の登板機会に向けてしっかり調整していきたいと思う」。降板後の秋山拓巳投手は、反省のコメントだ。

阪神2人目・島本は6回裏 バレンティン・雄平の連打で無死1・2塁のピンチを迎えるが、6番 村上をフルカウントから空振り三振。続く中村を二ゴロ併殺に取って脱出した。下位打線からの7回裏は岩崎が登板。二死後 1番 太田の内野安打はリクエストによって二ゴロと判定が変更されている。

厳しい打順の8回裏には4人目・ジョンソンを送る。ジョンソンは青木・山田哲を連続三振に斬り、バレンティンを三飛に打ち取る完璧なピッチングを見せた。直後の9回表 無死1塁にヒットの糸原を置いて1番 近本が、ヤクルト4人目・五十嵐から弾丸ライナーでライトスタンドへ運ぶ 9号2ランを放ち、大きく白星を引き寄せる。

その裏 守護神・藤川は、先頭・雄平にライトスタンドへ7号ソロ本塁打を浴びて2点差に迫られる。しかし、村上・中村・奥村と3連続三振に仕留め、5対3と見事に試合を締め括った。味方の援護によって秋山は3勝目をゲット。藤川は5個目のセーブとなっている。ヤクルトを3連勝で止めて、阪神は4連敗を阻止した。結果的には2点で粘って、試合を作った秋山ー原口のバッテリーの功績は大きい。

ヒーローインタビューは、決勝打の北條史也内野手だ。「初球から振って行こう!空振りしてもイイという気持ちで。思い切ったスイングが出来た。(長駆生還した原口は)ボクより足がたぶん速くないと思うんで。(けど)今日だけは速かったです(笑)。ライバルが多いって言う事で、自分も結果出していかないと(試合に)出れないので、これから頑張ります!」。

大腸ガンからの復帰を目指している時、「一緒にお立ち台に上がろう!」とエールを贈ってくれた秋山と共に勝利に貢献した原口文仁捕手は、「まあ点は取られたけど、ビッグイニングを作らなかったというところに繋がったと思うので。逆転できる雰囲気は凄くあった試合。なんとか最少失点で。取られてもその後しっかりお互いのやりたい事は出来たのでね。またそういうのを増やしていきたい」と話している。

矢野燿大監督は、悩ましそうだった。「(最大のヒーローは)どうなんやろ?アキ(秋山)も自分のミス以外はよく粘ってくれたし。その後の投手 島本もいきなりピンチ作って苦しいところだったけど、あの回ゼロでいってくれたし、あの後もね、大きかった。・・ジョー(北條)もよく打ったと思うし、最後のチカ(近本)の本塁打というのは、凄く展開的にもイイ形になったので。まぁまぁ、みんなで勝ったかな?という感じやね」。

沈滞ムードのチームを変える為に放った原口スタメン起用という一手も的中した。「勿論フミ(原口)はね。捕手としての仕事もそうやし、打つ方でも。原口らしい、姿勢が表に見えるような捕手なので、そういうところで秋山もしっかり引っ張っていけたというのもある。フミ自身も捕手やりたいっていう思いがあると思うんでね。こういうところからチャンスを広げていってくれたら」。

勿論、この白星だけで全てが好転すると楽観はしていない。「自分たちの野球が出来ないと。やっぱり全体的にもっともっと打ちたいし、一個ではなかなか乗りにくい。結果 キッカケにはしたいなと思うけど。(次へのハズミになったか?)それは分からない」と、指揮官は慎重な口調だった。