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木浪から6連打!『竜飲』大逆転

序盤から中日に主導権を握られて苦しい展開を強いられた阪神だが、中盤の代打起用から一気の集中打で鮮やかに逆転して貴重な勝利を収めた。

中日先発は、阪神戦今季初登板の41歳右腕・山井。阪神はソラーテを外して福留・マルテ・大山がクリーンアップを組む。初回 阪神は先頭・近本の左中間二塁打とマルテ・死球などで二死1・3塁の好機だったが、5番 大山が遊ゴロに倒れる。この攻撃では2番 北條の時に走者を進められなかった事が響いた。ピンチを脱したベテラン右腕は、序盤を無失点で滑り出している。

阪神は今季7試合目登板の右腕・秋山が先発し、原口とのコンビで臨む。中日は、前夜の試合で右大腿部を負傷したアルモンテが登録抹消となって平田・京田・大島で上位3人を形成し、6番に両打ちの藤井を配置する。秋山は平田・左二塁打と京田のバントヒット&盗塁で無死2・3塁といきなり大ピンチを招く。一死後4番ビシエドにカーブを弾き返されて中前2点適時安打を浴び先取点を与えた。幸先よく先手を取った中日だが、2回裏の打席で右手首付近に死球を受けた平田が、3回表の守備からベンチに下がった。アルモンテに続く主力のアクシデントは、今後の戦いにも響きそうだ。

3回裏 秋山は先頭・大島にヒットを打たれ、盗塁・暴投で3塁まで進まれ、一死後 5番 阿部・三ゴロの間に追加点を許し、3対0とされる。秋山は4回(67球)を投げて 6安打3三振 1死球 3失点で交代となっている。「入りからバタバタしてしまい、簡単に先制点を与えてしまう悔しい投球となった」と秋山拓巳投手は振り返っている。矢野燿大監督は、「(先発陣の中でも)難しい立ち位置にアキもいると思うし(登板時は自身にも重圧が)一回一回かかってる部分もあるとは思うけど。内容的には、今日はやっぱり良いとは言えないんでね、ボールの質も」と厳しく評価していた。

山井は緩急をつけた丁寧な投球で猛虎打線を翻弄していたが、5回表あと一死で勝利投手の権利を得るという場面 秋山の代打・木浪に右前安打を打たれたところから事態は急変する。ここで阪神は1番 近本が中越え適時二塁打を放って1点を返し25イニング振りに得点を記録。北條も甘いスライダーを叩く左越え適時二塁打で続き1点差に迫る。福留は二塁内野安打で1・3塁となって、4番マルテが左へ同点適時二塁打を放った。中日ベンチは堪らず山井から三ツ間にスイッチ。ここで5番 大山がスライダーを中前へ運ぶ2点適時安打を決めて、遂に阪神が5対3と勝ち越しに成功した。

ジェフリー・マルテ内野手が振り返る。「打ったのはスライダー。昨日は自分の仕事を果たす事が出来なかったから、チャンスの場面で仕事が出来て良かったよ。自分にとってもチームにとってもポジティブな結果になったね!」。勝ち越し打の大山悠輔内野手も、「みんなの勢いに乗って打つ事が出来た。一打席目 好機で凡退してしまったので取り返す事が出来て良かった」と話している。

阪神は、その裏から継投に入った。5回は能見が二死からビシエドに左二塁打を浴びるも5番 阿部を空振り三振に仕留めて逃げ切りへの流れを作る。6回表には代打からセカンドの守備に就いた木浪が二死からライトスタンド上段へ特大の3号ソロ本塁打をかっ飛ばして3点差に広げてみせた。「打ったのはスライダー。狙い通りのスイングが出来て完璧だった。途中からの出場だったが、気持ちの面でも体の面でも良い準備が出来ていたからこその結果だと思う」。自らのヒットから大逆転劇を読んだ木浪聖也内野手が胸を張る。

こうなれば、後は盤石なリレーで勝利へのバトンを繋ぐだけ。6回は島本が抑え、7回裏の岩崎は先頭・木下拓にレフトフェンス直撃の二塁打を浴びてピンチを招くも後続を斬った。後はジョンソン〜藤川の必勝パターン。阪神が6対3と中日を破って真夏の9連戦を鮮やかな逆転勝利で締め括った。勝利投手は能見で今季初勝利。藤川は7つ目のセーブである。

「(23打席振りのヒットに)ずっと苦しんでいたけど、気持ちは切らさずにしっかり準備して来たので」。ヒーローインタビューで6連打の起点となった木浪が声を弾ませる。3位広島とも4ゲーム差と少し縮まり、「何とか一勝でも多く勝ってAクラスに行きたい」思いを隠そうとしなかった。

矢野監督は、手放しで喜んではいない。 「(木浪はラッキーボーイ的な活躍だったが)初回のジョー(北條)のバント失敗は痛かったし、あれで流れが・・・それで負けててもおかしくないようなゲームなので。ジョーもその後打って返したとは言え、やっぱり そういう繋ぐという選手のところで、ああいう形って言うのは、勝ったけど、チームの課題としては残っている」。

逆転劇の中では、大山の勝ち越し打を特に評価。「あそこで同点で終わってしまうと、やっぱりまだ向こうも行けるぞ!という形になるけど、2点タイムリーで一気に行けたのは大きい。あの2点で後を投げる投手もだいぶ楽に。いや、楽にまでは行かんけど、ちょっと余裕持った形で投げられるようになったんで。良かった」と話し、価値ある一打に目を細める。

救援陣の連夜に渡る好投に関しては、「そうやね。みんな状態が凄く良い。ホント、島本も落ち着いて投げてるし。能見もちょっと早い回から登板になったけど、しっかり みんなが役目を果たしてくれてるから。(一見アッサリ勝ったように見えるが)アッサリと言うほど簡単な場面じゃないんで。それぞれがちゃんとした仕事をしてくれたと思う」と語り、指揮官は改めて最敬礼の様子だった。