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左腕を打った!来日初HR

ソロアーチでの先制も空しく中盤守備の乱れもあって逆転を許した阪神が、反撃及ばず敗れ24年振り開幕4カード連続の負け越しとなった。

中日先発は、昨夏阪神相手にプロ初白星を飾った高卒3年目の右腕・山本。立ち上がりから直球は150km/h台を計測して、初回は全て内野ゴロ。2回表も3者凡退と快調なスタートを見せる。

3回表 一死から8番 梅野がライトフェンス最上部に飛び込む2号ソロ本塁打を放ち、阪神が先取点を奪う。チーム20イニング振りの得点にも梅野はニコリともしないでベース一周。勝利への強い思いを窺わせるシーンである。

「打ったのはストレート。1打席目の入りから良い形で打つ事が出来た。アキ(秋山)が頑張っている中で先制点を取る事が出来て良かった」。梅野隆太郎捕手が、先制アーチを振り返っている。

阪神先発・秋山は、非常に丁寧なピッチングで1・2回を3者凡退。3回裏も木下拓のヒット1本だけで無失点に抑える。

4回表 阪神は、2四球に中日・阿部の失策が絡んで二死満塁と追加点のチャンスを作るが、7番 木浪が左飛に倒れた。すると、その裏 中日はアルモンテの右二塁打と暴投で一死3塁の好機を得る。ビシエドは遊ゴロで二死となるが、5番 高橋の中前適時安打で同点。更に阿部の三ゴロを処理しようと2塁封殺を狙ったマルテの送球が逸れて外野へ転々とする間に勝ち越し点が入った。

続く5回裏には、木下拓・大島のヒットで一死1・3塁として2番 平田の中前適時安打で中日が追加点。更に一死満塁から4番ビシエドが詰まりながらも左中間へ2点適時安打を放ちリードを広げた。秋山は、ここで馬場と交代。馬場は高橋をニゴロに仕留めたが、併殺を焦ったか?セカンド糸原が弾く失策でまた失点。この回4点を加えて、中日が6対1と試合を決定づけている。

素晴らしい滑り出しも、終わってみれば 4回1/3(73球)7安打5三振1四球6失点。「自分自身で苦しい投球にしてしまい、大事なところで粘り切れず、悔しい投球になった」と、降板後 秋山拓巳投手は、絞り出すようなコメントを残している。

何とか反撃したい阪神は、6回表 糸井・マルテの連打で無死1・2塁と山本を攻めつける。ボーアはフルカウントから遊ゴロ併殺打に倒れチャンスは潰えたかに思われたが、続く6番サンズがレフトへ意地のタイムリーヒットを放って、阪神が1点を返した。中日・山本はこの回まで投げて、後はリリーフに試合を託す。6回(99球)5安打1三振2四球2失点としっかりと試合を作った。

阪神2人目・馬場は、変わりっぱな 味方の失策による失点はあったものの、その後はしっかり抑えた。6回裏は小川がゼロで切り抜け、7回裏には、4人目で望月が今季初登板。望月は、自らの送球ミスでピンチを招いたものの慌てる事なく、こちらも8回裏まで無失点で完了している。

今季初登板を終えた望月惇志投手は、「自分の持ち味であるストレートでどんどん押して行く事が出来たのは良かった。また明日からも、投げる場面は0点で抑えられるように頑張りたい」と、決意を述べた。

9回表 中日守護神・岡田から6番ボーアが、初球の変化球を捉え、ライトへ弾丸ライナーの来日1号ソロ本塁打!リモート観戦の阪神ファンを喜ばせる。苦手にするサウスポーから打った初安打が待望の一発!結局6対3で中日に敗れた阪神だが、少しばかりでも気が晴れた事だろう。

「(本塁打は)嬉しかったけど、右左関係なく」自分の打撃をする事が大切だと、ジャスティン・ボーア内野手は言う。「でも、チームが勝ってないから、勝つ為に打たなきゃいけないし、どうしたら貢献する事が出来るのか?を考えて行きたい」。笑顔は無かった。

中日は今季初の連勝。阪神は早くも3度目3連敗で、1996年以来の球団ワースト・タイとなる24年振り開幕4カード連続負け越し。3失策が敗戦に繋がった事もそうだが、不動のセンター近本が試合途中で大山と交代したのも気がかりだ。(大山はプロ初の中堅守備)

清水雅治ヘッドコーチ によると「今日は打線の兼ね合い」で近本との交代となったようだが、「どういう事でも出来る様に」今後のオプションとしての大山起用だったようである。守備の破綻に関しては、「誰もエラーしたくてしてる訳じゃないので。その後だよね!あと、何とか取り返すように頑張ってくれれば、それが一番嬉しい」と話している。

「あれじゃあ、投手は大変だよね。全然得点出来ない中で(エラーは)痛いし。言いようがないけど」。矢野燿大監督が重い口を開く。「エラーの点もアキ(秋山)に悪かったし、点取られへんというのも、どうしてもね。苦しい投球をさせてしまった。何とか、もう1点2点少なく頑張ってほしいと思ったけど。打線と守備の絡みがあるんで、アキらしくは、やってくれたんじゃない?」。

最後にボーアに一発が出た事については、「チームが点取れない、打てない、苦しい中で貴重な本塁打。何か、きっかけにしてもらいたい」と、指揮官は祈るような表情だった。