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ウィルカーソンの安定投球が勝利を呼ぶ
投打の助っ人がチームに良い流れを呼び込んだ。
初回、近本が安打で出塁し盗塁を決める。得点圏に走者を置くとマルテの打球はセンター前に抜け、俊足の近本をホームに迎え入れた。
「良い仕事が出来るようにと準備してました。皆さんが応援してくれたおかげだと思っているので1点が取りたい場面で取れて良かったです」
先制に成功し、2回には今季初のスタメンマスクをかぶった長坂がセーフティスクイズを成功させる。
「僕に出来ることを必死にやって、何とか爪痕を残そうとその気持ちだけでやりました。本当はヒットを打ってランナーを還したかったんですけど、僕の仕事が出来たなと思います」
序盤で2点の援護をもらった先発のウィルカーソンは安定した投球で付け入る隙を与えなかった。
様々な球種を散りばめて狙いを絞らせずテンポ良くアウトを積み重ねる。4回1死1塁からピッチャー返しの打球にはショート・中野が追いつき2塁封殺、次打者のライト線への当たりは糸井がランニングキャッチ。どちらも抜けていればビッグイニングになりかねない打球だったが未然に防いだ。バックの好守備にも助けられたウィルカーソンは6回まで2安打無失点。先頭打者に安打を浴びた7回も併殺打を打たせて切り抜け、来日最長イニングを投げて1度もホームを踏ませなかった。
「緩急を使いながら制球して良いピッチングが出来ました。タイガースファン、好きやねん」
2点リードの終盤戦、8回は湯浅が先頭打者を歩かせてしまうが盗塁を試みた走者を長坂が刺し、結果的には三者凡退に抑える。9回も岩崎が3連打を浴び1点を失うが満塁のピンチを凌いで逃げ切りに成功した。
試合後の矢野監督は明日に向けて「全員で何とか取れたんで、まずは(伊藤)将司がしっかり投球してくれるのが1番大事になりますけど、その中で1点ずつ取っていけるようしっかり頑張っていきます」
攻撃時間は長く守備の時間は短い、立ち上がりに理想的な流れを作りながら追加点を奪えず、最後は薄氷を踏む勝利だった。贅沢を言えば交流戦前最後の試合となる明日はスカッと勝ちたいところだ。
