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藤浪、田中に貫禄の違いを見せられた

球界のエースとの投げ合いにゴールデンルーキーも貫禄負け。阪神が3連敗で交流戦を終えた。

歴代『甲子園優勝投手』の対決とあって、Kスタ宮城は超満員。阪神は2番柴田・8番に荒木を起用するオーダーで打線のテコ入れをして臨む。

立ち上がりは少し制球にバラつきが見られた東北楽天のエース田中将大投手に対して阪神は2回表、新井貴・坂の連打に藤井彰のバントが内野安打となって無死満塁とするが、荒木・空振り三振、大和は一直、西岡も遊直に倒れてビッグチャンスを逃した。コレが最後まで尾をひく。

一方、1・2回を3者凡退でスタートした阪神・藤浪は、3回裏二死から藤田にチーム初ヒット(右二塁打)を許すと、抜けた変化球をライト線へ返された1番松井の適時二塁打、続く銀次も三遊間突破適時安打と左打者に3連打を浴びて、東北楽天に2点を先取される。

5回にも島内の左二塁打とバントで一死3塁となり、藤田に甘いフォークを打たれてレフト前タイムリーヒット。先発ではプロ最短4回1/3(56球)5安打3失点でKOとなった。痛打されたのは全て左打者という課題も浮き彫りに…。「力不足です。次回へ向けて、しっかりと修正していきたい」と、プロの洗礼に藤浪晋太郎投手が唇を噛み締める。

「マー君(田中の投球を)見てたら3点が限界。ボール自体は悪くなかったけど(変化球が多く)真っ直ぐをもっと投げないと…」。中西清起投手コーチは、藤浪が「カットボールに頼りすぎた」点を指摘していた。

3回以降本来のペースを掴んだ楽天・田中は直球、変化球共に抜群で7回まで5イニング連続3者凡退と完璧な内容。テンポの良さに応えて、バックも美技で田中をもり立てる。

ようやく8回表二死から西岡がライト線二塁打を放ち6イニングぶりの走者を送ると、柴田(初回の盗塁で左足を痛める)に代わって途中出場の今成と鳥谷が連続四球で二死満塁と攻め立てたが、4番マートンが遊ゴロに打ち取られる。ピンチに滅法強い田中の牙城を崩せなかった。

試合は3対0と阪神が今季10度目の完封負け。楽天・田中は127球を投げて被安打6の今季初完封で開幕から無傷の9連勝を飾った。阪神は筒井-渡辺-加藤のリリーフ陣がこの日も無安打&無失点リレーを見せたが、今季の東北楽天戦に全敗となった。

『甲子園スター対決』を振り返って藤浪は、「(田中さんは)走者を出してからが全然違う。計算してアウトを取っている!と思った。球界を代表する投手とはコレだ!!というのが分かった」と感想を述べている。

3連敗で始まり、3連敗で終えた。12勝11敗1分と辛うじて5年ぶりに勝ち越した今季の交流戦。「良かった!とは言えないけど、何とか踏みとどまれた!と言う感じ。(リーグ戦再開まで)立て直し期間がある。打つ方が下降気味なので…」と和田 豊監督は再出発を誓う。交流戦の収穫については、「(特に野手で)若手にチャンスが生まれ、目の色を変えてゲームに入る選手が数多くいた。(投手では)特に後ろ。安藤、筒井、加藤、福原らは殆ど点を取られず、かなり助かった!」等と総括していた。