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藤浪初完封で連敗ストップ

新しい藤浪がそこにいた。許したヒットはわずかに2本。2者連続四球や暴投もあったが、三塁を踏ませぬ投球で9回を1人で投げ切った。プロ3年目で初めての完封勝利だ。

「テンポも悪くなかったし、1点取ってもらったら、絶対、一人で投げ切ろうと思っていました」

味方の援護はわずかに1点。8回を投げ終わった時点で球数は121球だったが、首脳陣に迷いはなかったようだ。「8回を3人で無難に抑えて、余力もあった。1人、2人、出していたら継投も考えたけど」と中西投手コーチ。「とにかく、きょうはナイスピッチング!」と、いつもは厳しい同コーチが手放しで褒めるほどの好投だった。

前回登板したヤクルト戦できっかけをつかんだ。5回先頭の成瀬の打席。直球のみで3球三振に打ち取ったのだが、その際、「キャッチャーの後ろまで突き抜けていくイメージにしたのが、いいリリースにつながった」と話していた。2試合連続でバッテリーを組んだ鶴岡は「アレを維持していた」と言い、「受けていて、真っすぐが違うなという感じだった」と振り返った。

要所でカーブも有効に使った。「鶴岡さんらしい配球というか、勇気のいるボールですけど、有効に使えました」と藤浪。和田監督も「2人のコンビで勝ったゲーム。(鶴岡は)よく研究して、非常にいいものを引き出してくれた」と話しており、しばらくは、藤浪-鶴岡のコンビが続きそうだ。

2試合連続の1失点完投勝利となった藤浪だが、完封勝利はプロ3年目で初。記念のウイニングボールは両親に渡すと言う。連敗を止めてくれた藤浪は、チームにとっても孝行息子だ。