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主将の“お膳立て”&“決める”仕事で連勝

キャプテンのバットがチームを勝利に導いた。一番を打つ鳥谷は、どちらかといえばチャンスメークすることが多かったが、きょうはそれに加えて“決める”役割も果たした。

初回は中前打で出塁し、大和の犠打で二塁へ進んで、福留の二塁打で先制のホームイン。4回は二死満塁のチャンスにDeNA先発・三嶋の初球をとらえて、2点適時二塁打を放った。そして8回は二死一塁で打席に入り、カウント0-1から右中間を破る適時三塁打。次の打席があれば、ホームランでサイクルヒットを期待される活躍ぶりだった。

満塁に強く、きょうで7打数5安打。本人は「たまたまです」と謙そんしたが、初球から振っていけるのは、準備ができているからにほかならない。

米メジャー・リーグ移籍か残留かで悩みに悩んだ昨年オフ。年明けにチームに残る決断をしたが、決め手は「後輩たちに優勝の味を知ってほしい」という思いだった。

前回優勝した05年、鳥谷はまだプロ2年目で、「先輩たちに優勝させてもらった」感覚が強い。自身がキャプテンマークを背負うようになり、今度は後輩たちにその良さを伝える番だと考えている。

「いまチームはいい状態だと思う。目の前の一戦一戦を大事にやっていけたらと思います」

鳥谷はお立ち台に上がっても、「優勝を目指して…」など、ファンが喜びそうな威勢のいい言葉は決して言わない。ただ、心の中では誰よりも強く思っているはずだ。関本がファームで調整中ということもあり、05年の阪神優勝を知る野手は鳥谷しかいない。みんながキャプテンの背中を見て戦っている。