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執念実らずV遠のく

崖っぷちの戦いで執念を見せた阪神だが、勝ち越す事が出来ず  最後に力尽きた。

10年振りのリーグ優勝へ、もう後がない阪神は、苦手の巨人先発・ポレダに対して9月2日以来クリーンアップを福留・ゴメス・マートンの並びに戻すなど原点回帰的なオーダーを組んだ。初回 2番に入った大和の左前安打とポレダのボークで一死2塁とするが、福留・ゴメスが倒れる。少々荒れ気味でも、ポレダは序盤から球威抜群だった。

阪神先発・メッセンジャーは立ち上がり 巨人2番 片岡にカットボールを左中間スタンドまで運ばれ(10号ソロ本塁打で)初回に先取点を奪われてしまう。2回裏には長野・岡本のヒットで一死1・3塁とされるが、加藤・ポレダの8・9番を連続三振に斬った。

3回表  阪神は二死から鳥谷の左中間二塁打と大和・死球のあと鳥谷3盗で揺さぶりをかけて、3番 福留の右前適時安打で同点とする。「打ったのはストレート。二死から1,2番でチャンスを作ってくれたので、何とか走者を還したいという気持ちだった。早く同点に追いつくことが出来て良かった」と福留孝介外野手は話した。

しかし、その後の二死満塁ではマートンのセンター返しをポレダがグラブに当てて遊ゴロとされて、追加点はならない。4回表には一軍昇格即スタメン7番 江越の右前安打から二死2・3塁とするが、鳥谷が抜けたカーブを振って三振に倒れた。

メッセンジャーも徐々に調子を上げて中盤はお互いに得点が奪えない。7回裏 巨人は代打・亀井の左二塁打と犠打で一死3塁として、ポレダの代打・高橋由が右前適時安打を放ち、遂に勝ち越す。更に片岡のヒットもあり二死1・3塁となったが、メッセンジャーは3番 坂本を右飛に抑えた。

「イイ感じで投球が出来た。自分の仕事は出来たと思う」。メッセンジャーは7回(110球)まで投げて7安打7三振2四死球2失点だった。8回裏には1点ビハインドでも阪神ベンチは呉 昇桓を投入して勝利への強い意志を示す。

すると9回表 先頭の途中出場・今成が巨人守護神・澤村から右越え二塁打を放ち、続く代打・俊介の犠打で一死3塁として代打の切り札・関本が追い込まれながらも外角フォークに食らいつく右前適時安打で土壇場で追いついた。このところ、リードされると終盤あっさり引き下がる試合が目立っただけに、久しぶりに猛虎の執念が見えたシーンだった。

しかし、その裏 呉 昇桓は一死2塁から途中出場・寺内にプロ初のサヨナラ安打を許して、試合が終わる。3対2で巨人に敗れた阪神は3連敗となり、広島に勝って3連勝の首位ヤクルトに4ゲーム差をつけられ、優勝が大きく遠のいた。

「ずっと(走るチャンスを窺い)計っていた」  。苦しい状況の中でも3盗を決めるなどポレダ攻略に
貢献した鳥谷だが、残り8試合で首位との差が4と開いた現実にも「次の試合を全力でやるしかないので」とプロフェッショナルな姿勢を覗かせる。和田 豊監督は、「とにかく最後までチーム全員が、諦めない気持ちでひっくり返そうという思いはあった」と振り返っている。

この日 滞在先の都内ホテルで中村勝弘GMが急逝するというショッキングなニュースが流れた。試合終了直後に訃報を聞いた和田監督は、「今 聞いたばかり。気持ちの整理がついてなく、受け止められない」状態だった。

選手たちには宿舎に戻ってから正式に伝えられた。福留孝介外野手は、「タイガースに来るに当たって、一番最初に声をかけてもらった。ただただビックリしている」と戸惑いを隠せない。「振り返ると今日は悔しかった」。知らなかったとは言え、弔いの白星を逃した事を悔やんだ。

「とても悲しい。チームメイトは皆 落ち込んでいる。気持ちを切り替えてやるしかない。良い結果を出したい」・・・マウロ・ゴメス内野手も懸命に言葉を絞り出している。

「(中村GMは)試合を観ながら『今年は社長、大チャンスだ。優勝を勝ち取ろう!』と仰っていた。(今 チームが)厳しい状況なのは間違いないけど、一戦一戦全力で戦い一つでも多く勝つ事が供養になる」。残り僅かとなったシーズンだが、南 信男球団社長はナインの猛虎魂に呼びかけていた。