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渋く福留!逆転劇を演出

先発左腕がミスから崩れ後手を踏んだ阪神だが、徐々に追い上げ終盤中日救援陣を捉えた一気の逆転で価値ある勝利を得た。

中日先発・梅津に挑む阪神は、1週間ぶりに近本をトップで起用する。近本はプレーボールの初球を叩き中前安打で出塁するが、A.マルティネスのピンポイント送球に盗塁を阻止され初回無得点。2回表もボーア・四球と梅野の右前安打で二死1・2塁とした阪神だが、8番 木浪が空振り三振に倒れる。梅津は決してキレキレではなかったが、変化球を多投するなど工夫した投球で3・4回を3人ずつで片付ける。

阪神先発は、サウスポー岩貞。いきなり初回先頭・井領に四球を与え大島の犠打で一死2塁とされるが、3番 阿部を速球で空振り三振。続くビシエドも三ゴロに打ち取った。2回裏は二死から京田に盗塁を決められ得点圏に走者を背負うも、8番 石川昴のセカンド後方への打球は、木浪がジャンプして好捕。辛うじてピンチを逃れている。

ところが、3回裏一死1塁で大島の投ゴロで併殺を狙った岩貞が悪送球でオールセーフにしてしまうと、3番 阿部に右前適時安打。ビシエドにも左前適時安打を食らって、やらずもがなの2点を献上した。続く4回裏にも7番 福田にフルカウントから中越え1号ソロアーチを見舞われ、3対0とリードを広げられてしまう。岩貞祐太投手は、4回(72球)4安打3三振2四球3失点で降板する。「自分のミスから失点してしまい、チームに迷惑をかけて申し訳ない」と話して、無念の表情を浮かべた。

完全に後手に回った阪神だが、5回表 二死から木浪の三ゴロを中日・石川昴がトンネル。続く代打・陽川の四球で走者1・2塁とチャンスを貰った。ここでフォークを捉えた1番 近本が、中前に適時安打を放って漸く1点を返す。更に矢野監督は北條に代打・糸井を起用したが、糸井は二ゴロに倒れる。適時打の近本光司外野手は、「チャンスの場面だったので、ファーストストライクから打つと決めていた」と振り返った。

5回裏から継投に入った阪神。能見が作った一死2塁のピンチを3人目・望月が何とか凌ぐと、6回表二死 5番ボーアが左翼ポール直撃の6号ソロ本塁打を放ち1点差に迫った。この1点が中日ベンチにプレッシャーをかける。ジャスティン・ボーア内野手は、「打ったのはストレート。リードされている展開だし、チームに何とか勢いをつけたい一心だったよ」と振り返った。その裏 回跨ぎの望月は、先頭A.マルティネスの内野安打から一死2塁とされたが、福田・石川昴を打ち取っている。

中日は、終盤を救援陣で繋ぐ。7回表2人目・佐藤から阪神は先頭・梅野の右前安打と木浪・犠打で一死2塁の同点機を作る。代打・原口は捕邪飛で二死となり、中日は佐藤からサウスポー福へ。1番 近本は中前安打を放つが、大島の好返球に走者・梅野が本塁憤死。追いつく事が出来ない。敗れていれば、ここは象徴的なシーンとなっただろう。

7回裏 阪神は4人目・藤川を送る。先頭・溝脇に四球を与え、送りバントで一死2塁とされるが、藤川は大島・阿部の上位を退けた。直後の8回表 阪神は途中出場・植田の右前安打・盗塁から無死1・2塁とするが、大山の三ゴロ併殺打でチャンスが萎む。しかし、ボーア・四球後 6番 福留が左前適時安打を放ち同点とする。真っ直ぐを捉えた福留孝介外野手は、「どうしても追いつきたい場面だったので、良い仕事が出来て良かった」と安堵の表情だ。堪らず中日は福からゴンサレスに代えるが、その初球を梅野が捉えて左前適時安打。遂に阪神が勝ち越した。

更に木浪の三ゴロを中日・溝脇がエラー。二死満塁から代打・中谷が直球に詰まりながらもレフトへ2点適時安打を放ち、近本も粘って右前適時安打で続いた。阪神がこの回打者一巡の猛攻で7対3と形勢を逆転させている。代打で貴重な打点を叩き出した中谷将大外野手は、「良い流れだったので、その流れに乗って打つ事が出来た」と繋がりを強調するコメントだ。

しかし、現状のブルペンでは、これで安心とは行かない。8回裏登板したガンケルは、A.マルティネス・中前安打にサード熊谷の悪送球もあって二死2・3塁で代打・高橋という厳しい場面を迎えるが、良い当たりの右飛で事なきを得た。「チームが逆転してくれた直後で、リズム良く投げることが大事な展開だったから、ストライクゾーンで勝負する事を心掛けたよ。ヒットは打たれてしまったけれど、自分の役割を果たす事が出来て良かったと思う」。ジョー・ガンケル投手は、こう話して胸を撫で下ろしている。

9回表には、前打席で併殺打に倒れた4番 大山が、中日・橋本の直球をレフトポール際へ運ぶダメ押しの8号2ランを打ち込んで9対3。「さっきの一番大切な打席で打つ事が出来ず、みんなにカバーしてもらったので1点でも多く取るという気持ちで打った。一発で仕留める事が出来て良かった」と、大山悠輔内野手は振り返っている。その裏、小川が二死から連打を浴びるも無失点に抑え、阪神が終盤の大逆転で鮮やかな白星を飾った。勝ち投手は藤川で、今季初勝利。阪神は敵地ナゴヤドームで勝ち越して、7カード続けて負け越し無しとなっている。

近本と梅野がそれぞれ3安打を放ち、2人でチーム12 安打の半分を稼いだ。阪神同様、中継ぎに不安を抱える中日とはいえ、敗色濃厚な展開を覆し終盤一気に畳みかけた攻撃は見事だった。「(勝ち越し打は)どんな結果でも恐れずに初球から打とうと決めてたんで、良かったですね!」。ヒーローインタビューで梅野隆太郎捕手は、笑顔を見せた。ベテラン福留の同点打に触発されて「集中して打席に入る事が出来た」結果だった。

開幕からの躓きも、シーズンの4分の1となる30試合を終えて貯金1の3位まで盛り返した。「まだ前半だけど、ここまでのチーム状況に持ってくるまで、自分なりには早かったなと思うので。これからどんどん貯金を作ってチームが良い流れを引き寄せられるように、自分自身も頑張って、チームが浮上出来るように頑張って行きたいなと思う」。選手会長を務める扇の要が、更なる上昇へと決意を新たにしていた。